湖南省でタクシー運転手、重慶では紡績労働者のストが爆発
4月10日、湖南省岳陽市で3000名余のタクシー運転手が、会社が暴利をむさぼることに怒って、会社に納める費用の引き下げを市政府が指導するように要求して、市政府前にタクシーを集結させて、ストライキを敢行した。これに対し、警察は、営業を続けるタクシーに対しスト参加を求めるストライキ運転手が口論したことを暴力事件にしたてて、11名のスト参加運転手を逮捕した。
タクシーストライキは、昨年の11月に重慶から始まり、11月だけで全国20ヶ所ものストライキが続いたが、それ以後もいくつかの都市で散発的に続いている。タクシー会社の開設権限は地方政府が握っているが、会社と政府の結託によるタクシー運転手へのひどい搾取状態は依然として続いており、金融危機の波及の中で生活苦が強まっている中で、生きんがための闘いを抑え付けることはできないのである。
一方4月13日には、重慶の涪陵金帝集団(国有企業)の紡績労働者5千人近くが会社の大量早期退職強要と3ヶ月の賃金不払いに抗議して、ストライキに入り、16日現在もなおスト続行中で、一部の労働者は工場前の国道を封鎖して交通を遮断する闘いを行っている。重慶の三峡庫区の党が書記を派遣し事情を聴取する形をとっているが、まったく回答はない。労働者たちは”われわれは飯を食わねばならない”という横断幕を掲げて、工場前を占拠している。公安数百人が派遣され、労働者の指導者格を逮捕しようとしたが、労働者たちが反撃して奪い返した。
紡績労働者の大規模ストは、先月27日の河北省の保定市の依棉集団での1週間にわたるストとそれを踏まえた北京への陳情デモの敢行に続くものである。中国の紡績産業は基本的に輸出に依拠して伸びてきたので、現在の金融恐慌情勢の中で大きな打撃を受けており、かなりの工場が倒産したり、倒産の危機に入っている。依棉集団は大量の早期退職強要を行いつつ、別会社に一部の労働者のみ移動して工場を閉鎖するという攻撃をかけており、退職補償金の少なさや、遅配や欠配になっている賃金や残業代、あるいは各種の社会保険類の滞納問題に労働者の不満が大爆発しているのである。
中国スターリン主義支配体制の下で、最近、景気刺激策の実施によって、経済が回復しつつあるという宣伝がなされ始めている。しかし、それまでの「発展」が労働者に対する強搾取を基礎にしていた中で、景気が悪くなったら委細構わずどんどん労働者の首を切る、ということが「回復」という言葉にもかかわらず、私営の中小企業だけではなく、大規模な国有企業においても続いているのであり、それに対するまさに「俺たちは飯を食わねばならない」という怒りのストライキが各地で続発する状態になっているのである。(TN)
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