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米オークランド教組が全市でストライキ

 米カリフォルニア州オークランドで、4月29日、全市の学校が一日ストライキに突入した。早朝、5時半から組合員、保護者、生徒、地域住民が各学校前に結集し、6時〜11時にピケットを張った。学区当局のスト破り導入策動にもかかわらず、全校が完全に停止した。昼は、市役所前、オガワプラザ(3月4日に全学連訪米団が参加した集会が行われた場所)でストライキ集会をした(写真)。そして2時から再び全校でピケットを張った。学区当局ビル前では全日ピケットが張られ、ビルは封鎖された。オークランド市全体が完全に学校ストで制圧されたのだ。

p20100501d-2.jpg オークランド教組(OEA)がストに突入した理由は、(1)2年間も労働協約が結ばれていないこと、(2)もともとオークランド学区の教員の賃金は低く、また数年間物価上昇分の補償が行われていないこと、(3)学区当局は、クラスの人数の増大、教員の解雇、賃金の凍結(実質賃下げ)を提案してきており、体育や音楽などの授業をカットしてきていること、などだ。
 また、OEAはNEA(全米教員協会)傘下だが、NCLB(落ちこぼれゼロ法)の「改善」を提案しているNEA本部と違って、NCLBの撤廃を正面から要求し、また、NCLB法に基づく州の標準学力テストや校内での募兵に反対して闘ってきた。3月4日のカリフォルニア州教育ゼネスト・一日行動の後、大学当局と警察権力は、闘う学生に対して大量処分、逮捕攻撃をかけてきている。こうした中で、オークランドで全市一日ストが行われた意義は巨大だ。しかも、裁判所の介入によって、いったんストライキの延期を余儀なくされた後、それを乗り越えてストを貫徹したのだ。
 また、オークランド教組は、すべての労働者階級と団結することによって勝利すると確信している。オガワプラザの集会では、ILWU(国際港湾倉庫労組)に属する鉱山労働者のストとの連帯と労働者の国際連帯が掲げられている(写真上)
 オークランドは、前市長、ジェリー・ブラウン(1999〜2007年)の元で、大規模な廃校化攻撃、チャータースクール(公設民営校)化の集中攻撃を受けてきた。そして、教育労働者の解雇、賃下げ攻撃が激しく吹き荒れた。ジェリー・ブラウンは元カリフォルニア州知事であり、それがわざわざ人口40万の中都市の市長になったのは、そこが戦略的な都市だからだ。オークランドは、西海岸ではロサンゼルス地域に次ぐ大港湾があり、米軍施設が多く、米軍事戦略にとって決定的な位置を持っている。そして、アメリカでもっとも戦闘的な労働組合、ILWU(国際港湾倉庫労組)を始め、多くの戦闘的労組がオークランドを拠点にしている。また、戦闘的革命的な大学闘争の拠点、バークレー市は、隣町だ。だから、支配階級が、民営化=労組破壊攻撃をどこよりも激しくかけてきたといえる。この戦略的対決を真っ向から受けて立ち、オークランド教組と生徒・保護者(地域の労働者)は団結を強化してストライキを貫徹したのだ。
 その他の写真⇒http://www.indybay.org/newsitems/2010/04/30/18646217.php

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