総工会のスト破壊行為を蹴って、中国ホンダ労働者のスト続く
中国広東省仏山の中国ホンダ部品工場のストは、5月31日、公認の労働組合である地元の総工会のスト破壊行為を蹴って、依然として続いている。企業の側は3度目の賃上げ回答をしたが、355元の賃上げでしかなく、要求の800元とは依然隔たりがある。総工会の反革命的襲撃は、このストが賃上げ要求とともに、工会の再編と工会幹部の再選挙を求めていることに対する弾圧である。日帝資本と中国スターリン主義は、ストの火が他に波及することに恐怖し、総工会を手先に使って暴力的鎮圧を狙ったのだ。これに対して、いったん仕事に復帰しようとしていた一部の労働者も含めて、再び怒りが燃え上がり、ストは続いている。写真は地元総工会(黄色の帽子)による襲撃と闘うスト労働者。
このストは中国労働者の闘いが決定的に新たな段階に突入したことを示している。ストに決起した中国ホンダ労働者の声がネット上で紹介されているが、きわめて重要な内容だ。以下、レイバーネットから日本語訳を転載します。この訴えと闘いに連帯し、日本の労働者階級は今こそ総決起しよう!(TN)
▼「親の世代と同じ道を歩み続けなければならないのか?」80年代生まれのホンダ労働者の声 2010年5月29日
ホンダ!世界500強の企業のひとつ!
去年40数億元も儲けた!
その前の年よりも10億元以上も儲けた!
周囲にある会社と比べてみろ!
周囲の会社はまるで比べ物にならない!
世界500強で09年には40億元以上も儲けた会社がたった64元しか賃上げしない!
賃金は現地の最低賃金の水準と同じ!
一ヶ月1000元の賃金には一食分しか含まれていない!(訳注:中国の多くの工場では三食をふくむ賃金の場合が多い)
あなた、こんな会社に勤めたいですか?
保険も完備されているって?
他の会社ではそんなことはないって?(そりゃ違法だ!労働局へ駆け込もう!)
世界500強の会社ですよ!
そんな違法行為ができますか!
今回(のストで)355元を増額するという!
基本給は200元増額!
生活手当は35元増額!
飲食手当は120元増額!
これらを加えると1500元くらいにはなるだって?
周囲の会社だって夜勤すればこれくらいにはなる!
考えてもみなよ!
周囲の会社とホンダのような一年40数億元を稼ぐような会社を比べることができますか!
他の会社は40億元も稼げますか!
みんな知ってますよ!
自動車業界は高利潤の業界だって!
だけどみんな僕ら現場ラインで奮闘する工員がつくりだしたものだ!
なのにこれほどの利潤をつくりだした僕らが得たものは何なのか?
それが不満で辞めたとしよう!
そしたらホンダはすぐに人を募集する!
ぼくらの兄弟姉妹はこれからも苦労する!
もし辞めるとしてもこれからの兄弟姉妹たちのためにもっと多くを獲得しなければならない!
これがストライキを続ける理由のひとつなんだ!
こんなことを言う人がいるかもしれない!
高専学校を卒業したくらいで高賃金をもらえると思うな、と!
だけどちょっと考えてみてよ!
高専卒業生を見下していやしないか!
逆にあんたにあきれてしまう!
確かにぼくらは高専しか出ていない!
だけどぼくらが40億元もの利益をつくりだしたんだ!
あなたにそんなことができるかどうか考えて欲しい!
あなたにだって可能だと、ぼくは思う!
5月17日のストライキの日!
日本人の管理者がまず仕事に戻れと言ってきた!
書き出した要求は5月24日に回答すると言ってきた!
もし仕事に戻らないと解雇するぞと言ってきた!
ぼくらは仕事に戻った!
要求も書き出した!
なのにこっそりと先導者を割り出して解雇してしまった!
総経理は、あいつら馬鹿な奴らだと笑っている!
仕事をしないのなら辞めてもらうと脅かしている!
いったいどこに誠意があるというのだ?
だから21日にもう一回ストライキを実行した!
日本の管理者は写真を撮って工員章を取り上げて早く仕事に戻れと脅かしてくる!
この重要な段階に至ってわれらが偉大な労働組合の登場だ!
・・・と思ったら全然ぼくらの権利をかちとるために会社と交渉してくれない!
生産ラインに戻って仕事をするようにいい続けている!
一体全体どうしたことだ!
労働組合がなすべきことがあるはずだろう!
毎月5元の組合費を徴収して何をしている?
5月22日!
日本の管理者はストライキを先導した2人の工員を解雇して恫喝してきた!
一体全体どうしたことだ?
これがあんたらの誠意なのか?
24日、生活手当を65元から120元に引き上げた!
これがあんたらの誠意なのか?
そして工員らの写真やビデオを撮って工員章を取り上げた!
誓約書にサインを迫り工員を恫喝する!
これがあんたらの誠意なのか!
これがストライキを続ける二つめの理由なんだ!
中国!
これまでずっと低コスト競争を提唱してきた安い労働力市場!
毎年のGDPはそう悪くない速度で成長している!
だけどこの成長は安い労働力を提供する労働者から搾り取られたものだ!
苦労の末にこれらの価値をつくりだした労働者にはほんのわずかの「報酬」しかない!
ぼくらの賃金はいまだに最低基準の線上にある!
ぼくらはいまだこの線上でうろうろもがいている!
これらの価値をつくりだした労働者は、もうすこしいい報酬を得る資格はないのだろうか?
考えてもみて!
これで一体どうして国民経済全体の水準をあげられるのか!
こんな状況が中国ではあまりにあたりまえになっている!
僕らの親の世代は安い労働力市場が支配してきた!
だけどみんな年老いてきた!
じょじょに労働市場から退場しつつある!
それにかわったのは僕ら80~90年代生まれの世代!
親の世代と同じ道を歩み続けなければならないのか?
きっとこう思ってる!
自分が歩んできた道は歩ませたくはないと!
その道がどれほど辛いものなのかを知っているからだ!
僕たちだってそんな道は歩みたくはない!
時代はもう変わっているんだ!
低コストの安い労働力というやり方だって変わらなければならない!
ホンダは日本企業だ!
日本は資本主義の国家だ!
中国は社会主義の国家だ!
中国に投資してるんだろ!
郷に入っては郷に従え!
社会主義を実行せよ!
資本主義を押し付けるな!
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