市東さん耕作権裁判、NAAの「偽造文書」を追及
4月18日、千葉地裁で市東孝雄さんの耕作権裁判の弁論が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟、顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民が法廷を埋め、農地強奪攻撃への怒りをひとつにして闘った。
成田空港会社(NAA)は市東さんが耕してきた畑について、「賃貸借契約期限切れ」で明け渡しを迫る一方、この裁判では畑の一部を「不法耕作だ」として訴えている。盗人猛々しいとはまさにNAAのためにある言葉だ! ところがこの裁判でも焦点の土地「南台41―9」を賃借地であるとするNAAの致命的な誤りによって、「不法耕作地」と決めつけた場所(農道の南)が市東家が昔から耕してきた賃借地であることが一層明らかになっている。
そして今回弁護団は、1月15日に旧地主の藤崎政吉を訪ねて聞き取り調査した録音とその反訳(テープ起こし)を証拠提出した。それによれば、NAAが藤崎が書いたものとして持ち出してきた境界確認書、同意書について、藤崎は自分の書いたものではないと明確に否定したのだ。するとこれらの書面を誰がどういう経緯で作成したのかについて、NAAは当然にも立証しなければならない。だがNAAは、藤崎を証人として呼ぼうとせず、土地買収の交渉記録を隠し続けたまま、「担当者は死んだので詳細不明」などと白を切り、この期に及んでも沈黙と情報隠しで乗り切ろうとしている。NAAは交渉記録を一切合切出せ!
ところが白石史子裁判長は、だんまりを決め込むNAAの態度をかばい、容認し、被告である市東さんと弁護団側の方ばかり向いて「主張をまとめるように」などと促すのだ。こんな不公正がどうして許せるか。傍聴席から「NAAに明らかにさせろ!」「裁判長は空港の手先か!」と怒りの声が飛ぶと、白石裁判長はむきになって「騒ぐと退廷を命じる」などと精一杯すごんでみせるが、弁護団から“裁判長の偏った訴訟指揮こそが問題だ”と厳しく指摘されると反論もできない。次回期日は6月27日(月)。裁判長の抑制を打ち破り、NAAに洗いざらい白状させなくてはならない。
裁判所近くの会場で、記者会見と報告会が開かれた。最初に市東さんが立って「NAAの弁護士の態度の悪さはいつも通りだが、きょうは最初から裁判長がわれわれの方ばかりにらみつけているのが目立ちました。これからもみなさんの力を借りて闘っていきます」とあいさつした。続いて弁護団が、「境界確認書、同意書について藤崎が自分はあずかり知らぬと言っているのだから、これらは名義人の承諾のない偽造文書ということになる。裁判長がNAAに釈明を求めないのは明らかに不公正な訴訟指揮だ」と強く批判した。北原鉱治事務局長があいさつを述べ、近所に住んでいる男性が福島第一原発の20㌔圏内にある実家に向かったが警察などに阻止され故郷を奪われたという話を紹介し、憤りを込めて原発事故を弾劾した。さらに市東さんの農地取り上げに反対する会、動労千葉、関実が発言した。動労千葉の滝口誠さんは被災地への訪問を報告し、「ここから日本を変えよう」と訴えた。最後に司会の鈴木謙太郎さんが「明日も団結街道裁判でがんばりましょう」と締めくくった。(TN)
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