8・9長崎、原発推進の菅を徹底弾劾し意気高くデモと集会
被爆66周年の8・9長崎反戦反核闘争は、大恐慌・大震災、原発事故による放射能被害の拡大という重大情勢のもとで被災地人民と固く連帯して闘いぬかれた。また、アメリカから「反戦の母」シンディ・シーハンさんを迎え、国際連帯の一層の発展をかちとる闘争として打ち抜かれた。
9日朝の「長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼早朝集会」に参加した労働者学生は、午前10時過ぎから爆心地近くの城栄公園で、菅首相の平和式典出席を弾劾する集会を開いた。直前に強い雨が降ったが、開会の時には雨も上がり、意気高く集会をかちとった。その後、平和公園に向かってデモに出た。
原爆投下時刻の午前11時2分、デモ隊は式典会場に通じる坂道の下で立ち止まり、怒りのシュプレヒコールを挙げた。「菅は長崎から出ていけ!」「すべての原発を今すぐ停止しろ」と怒りの声をあげた。原発推進の菅を徹底弾劾し反原発を真正面から掲げた全国統一実行委のデモは、平和公園を訪れた労働者人民に強烈なインパクトを与え、沿道から市民が飛び入り参加した。
午後1時半から長崎県勤労福祉会館で、「反戦反核反原発・長崎集会」が開かれた。反戦反核全国統一実行委の主催で115人が結集した。
福島労組交流センターの丹治満さんは、原発事故で家・生活・生業を奪われた福島県民の強い怒りを語り、「原発事故を絶対に許さない」と決意を語った。長崎の被爆者で被爆体験を語り継いでいる城臺(じょうだい)美弥子さんは、「今こそ私たちは黙っていられない。“祈りの長崎”“静かな長崎”と言われてきたが、今は“反原発!”と叫びたい」と語った。
さらに「すべての原発今すぐなくそう全国会議」発起人の鈴木達夫弁護士(元日放労長崎分会委員長)、玄海原発反対闘争を闘う吉田和生さん、全学連の安藤聡男副委員長、一貫田康博被爆者青年同盟委員長がアピールした。また国鉄不当解雇撤回と外注化阻止の訴えを、国鉄全国運動・九州代表の竹内良夫さん、動労千葉争議団の中村仁さん、動労西日本の山田和広副委員長が行った。
集会の基調を羽廣憲さん(国労小倉闘争団)が提起した。羽廣さんは、「3発目の原爆を政府自らが落としたに等しい」と福島原発事故を怒りを込めて弾劾し、「反戦反核・反原発と国鉄闘争に勝利しよう」「闘う労働組合をつくり直し、その力で労働者が主人公の社会をつくろう」と呼びかけた。
集会の後半、シンディ・シーハンさんが約45分間、アピールと会場からの質疑応答を行った。シーハンさんは実質失業率20%のアメリカ労働者階級の現状を語り、イラク戦争で息子の命を奪った米帝の戦争政策を痛烈に批判した。そして「今、本当に必要なのは革命に向けた行動です」「原発と戦争、貧困、新自由主義と闘おう」「闘いをやめない限り、敗北することはない」と訴えた。シーハンさんのアピールは参加者を大いに奮い立たせた。全学連の学生の質問にもていねいに答えて、集会は大いに盛り上がった。最後に、決意表明とまとめが提起されて、集会は大高揚し終了した。
前日8日には長崎大学への申し入れと正門前宣伝、九州電力長崎支店への抗議行動が行われた。「100㍉シーベルト以下なら子どもの健康に影響ない」と福島に乗り込んで発言している山下俊一教授と、彼を擁護する長崎大当局を徹底弾劾し、長大生に決起を呼びかけた。九電支店では広報担当の責任者を呼び出し、玄海原発と川内原発の即時全面停止、「やらせメール」の謝罪と責任ある対応を強く申し入れた。夕方に繁華街で行った街頭宣伝では、市民の反原発の思いは強く、1時間で330人の反原発署名が寄せられた。
こうして8・9長崎闘争は、原水禁運動の総屈服を打ち破り、反戦反核と反原発を一つのものとして闘いぬき、労働者階級の総決起へ、大きな前進を切り開いた。(N)
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