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薄熙来の失脚下、中国・重慶で労働者・学生が暴動的決起

s20120412b-1.jpg 4月10日の午後、重慶市で数千人の労働者と学生が、「万盛区を返せ!」「私たちは食べなければならない!」などのスローガンを掲げてデモ行進に立った。中央政府と省政府が、重慶市の万盛区と綦江県を昨年10月に合併したことによって、万盛区の経済が落ち込み、福利が低下したとして、合併に抗議し、生きるための保障を求めてのデモであった。
 この日は、当時重慶市のトップであり、この合併を推進した薄熙来前重慶書記が完全に失脚したことが政府によって表明された日であり、緊張が走る中、この労働者と学生のデモに対して武装警官が動員され徹底的に弾圧した。多くの負傷者が出て、死者も出たとも言われている。 

 しかしこの弾圧は労働者の怒りに火をつけた。労働者・学生は再びデモに出発。武装警官を逆に包囲し、政府は武装警官を増派するとともに催涙弾を打ち込んで群集を解散させようとし、激突は夜まで続いた。
s20120412b-2.jpg この中で学生たちはビラを労働者・市民にまき、翌11日の午前7日に高速道路入り口に集まり、高速道路を封鎖することを訴えた。そして実際に11日に数千の学生と労働者が高速道路入り口に集まり、高速道路を封鎖し、武装警官とさらに解放軍の弾圧と対峙しながら徹底的に闘っている。
 この事件は直接的には合併問題が焦点になっているが、背景にあるのは中国経済の崩壊と、今回の重慶事件をめぐる中国スターリン主義の政治危機である。この万盛区と綦江県によって、万盛区は経済技術開発区となり、重慶の経済を推進する役割を担うことに本来なっていた。しかし中国バブル経済の崩壊と欧州危機の直撃は、こうした新しい「開発区」の経済を最初から破綻させ、経済を活性化させないばかりか、逆に合併や開発に伴う膨大な行政の投資が住民への福祉事業を後退させ、労働者と学生の生活を圧迫し「生きられない」事態を生み出してしまったのである。その経済破綻への怒りが爆発しているのである。
 さらに薄熙来重慶前市長の失脚と中国共産党内の激しい党内闘争は、とりわけ重慶市民にとって衝撃であり、薄熙来ら「保守派」に対しても「改革派」に対しても、中国共産党への労働者階級の幻想を完全に喪失させている。今回の重慶暴動の背景には、こうした中国スターリン主義の腐敗しきった政治への労働者階級人民の激しい怒りが存在している。急激な経済破綻とあいまって、スターリン主義打倒までやまない激しい階級的怒りが今噴出しようとしているのである。
 中国政府はこの事件のネット上での削除に必死になっており、この重慶で発生した暴動にいかに衝撃を受けているかを示している。
 中国は完全に新しい大激動過程に突入した。この中国大激動に対応しうる労働者の党を建設するために、国鉄決戦と反原発闘争の大爆発をかちとろう!(G)
 写真は上が4月10日夜のデモ。下が11日、高速道路入口に集まって抗議する労働者・学生 

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