8・6広島報告① 原爆ドーム前で歴史的ヒロシマ・アピール
「核と原発をなくし人間が人間としてともに生きられる社会をとりもどそう。この人類史的な闘いは今まさに始まったばかりである。私たちは全世界の労働者民衆の仲間たちと団結し、この闘いに必ず勝利することを宣言する」。被爆67周年の8月6日午前8時。被爆2世である一貫田康博さんの力強い声が平和公園一帯の人びとを包み、原爆ドーム前に詰めかけた1200人の集会参加者が大きな拍手で応えた。原子力の「平和利用」で分裂を強いられてきたビキニ以来の反核運動をのりこえ、ヒロシマ、ナガサキ、オキナワの怒りがフクシマの怒りと一つになり、官邸前をはじめとする数十、数百万に上る労働者人民の怒りと一つになった歴史的な「2012年8・6ヒロシマ・アピール」が採択された瞬間だ。
8・6ヒロシマ大行動実行委員会主催の「核廃絶・全原発廃炉!ヒロシマ・アピール集会」は、6日の午前7時から始まった。演壇後ろの長さ11メートルの大横断幕には、「福島の怒りとともにすべての核と原発をなくそう/再稼働反対!野田首相を倒せ!」の文字。原発再稼働を強行し核武装を推進する首相・野田が祈念式典にのりこみ慰霊碑の前に立とうとしていることへの激しい怒り、必ず打倒するという固い決意がほとばしる場となった。
これに先立つ7月30日、大行動実行委は野田の式典参加に強く抗議し撤回を迫る申し入れを広島市に対して行った。その申入書全文を、集会の冒頭、共同代表で反戦被爆者の会の下田礼子さんが読み上げた。続いて、福島から渡辺馨さんが発言に立ち、8月1日に政府が福島で行ったエネルギー政策での意見聴取会で、出席した環境相・細野を取り囲み「いますぐ原発やめろ」とがんがん糾弾したと報告。「再稼働のためのヤラセでしかないことが暴かれた。山下俊一らがやっていることは放影研と同じだ。低線量被曝と真っ向から闘う。手を取り合えるよう診療所づくりをやろう」と訴えた。ドイツ・ゴアレーベン核廃棄物処理場建設反対同盟委員長のマーティン・ドナートさんは、「日本で始まっているアジサイ革命に注目している。ドイツでもただちに原発を停止するべき。原子力時代に終わりを告げるため懸命に闘う。ゲンパツ、ハンタイ!」と語り、NAZEN沖縄の青年労働者は、オスプレイ配備阻止の沖縄県民大会への参加を熱く訴えた。「NO NUKES HIRODAI」を立ち上げた広島大生たちに続いて、歓声に迎えられ福島大生たちが登壇し、「野田は監獄に入れ! われわれの代で原発を廃炉にする」と決意を語った。最後に長崎の城臺美弥子さんが、「子どもたちに被爆体験を語ってきたが、原発は核兵器の製造機だと伝えていく」と述べた。
アピール採択後、原爆投下時刻の8時15分、核で命を奪われたすべての人びとの怒りと無念を胸に1分間の黙祷を行い、野田弾劾のデモに出発した。(T)
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