8・6広島報告② 野田弾劾の声、式典会場に響く!
8月6日午前8時20分、ヒロシマ大行動の呼びかけに応えて、原爆ドーム前での黙祷を終えた集会参加者が、ヒロシマ・アピールを行動に移そうと直ちに野田弾劾のデモに立った。約1000人のデモ隊の先頭が、元安川をはさんで式典会場まで150メートル地点・元安橋のたもとに到達。そして野田が演壇に近づこうとしたとき、福島の佐藤幸子さんがマイクを握り、満身の力を込めて怒りをたたきつけた。
「野田首相! ニューヨークまで追っかけてって原発止めろって言ったのに、止めないのはどういうつもりだ! 福島の子どもたちはいまだに高線量地帯でマスクもせずに復興キャンペーンの行事に駆り出されているのを知ってるか!」
「福島の子どもを守らないで原発再稼働なんてありえない! ヒロシマとナガサキとフクシマの思いを踏みにじるな! 絶対再稼働を止めるぞ!」。デモ隊から一斉に野田弾劾のコールが起きる。「野田は帰れ! 今すぐ帰れ! 再稼働やめろ! 今すぐやめろ!」。式典会場の対岸、元安橋から平和大橋までの400メートルは色とりどりの旗やのぼりで完全に埋まり、怒りのコールは野田の発言の前後20分にわたって式典会場に響いた。
野田を打倒して必ず再稼働を止めるぞとの闘志を満々にしたデモ隊は、続いて中国電力本社前に登場。中電は3日、定期検査中の島根原発2号機の再稼働に向け、安全評価の1次評価結果を経産省原子力安全・保安院に提出した。さらに、昨年3月15日から工事が中断している上関原発建設を強行しようとしている。断じて許さない。平日にもかかわらず正面の鉄柵シャッターを降ろし、門という門を閉ざして戦々恐々としている中電資本に怒りが爆発した。ビルを包囲し「再稼働やめろ! 上関に原発つくるな!」と徹底糾弾を浴びせた。
デモの先頭が再び表通りに出ようとしたとき、そこに、反戦被爆者の会会長を務め昨年8月19日に被爆の影響によるがんとの闘病の末に亡くなった、故大槻泰生さんのご遺族の姿があった。大槻さんの遺影を持って出迎えてくれたのだ。そこから高陽第一診療所医師の吉田良順さんに頭上高く掲げられた大槻さんの遺影が、平和公園に向けたデモの先頭に立った。平和大橋を渡り平和公園に入り、平和記念資料館前に到着、大勢の式典参加者と感動の大合流を果たした。再びマイクを持った佐藤さんが、「福島の子どもたちの未来を、命を守るために一致団結して再稼働をさせない、野田を倒す。この一つに集結してください」と呼びかけた。
追い詰められ警察権力を投入するしかなくなった野田は、機動隊を配置しデモ隊列の寸断や沿道の労働者人民との分断を試みたが、各所で完全に粉砕された。デモの一団は途切れず、式典会場に響いた野田弾劾のコールを聞いて青年がデモに合流してきた。汗だくになりながら早朝からの行動を打ち抜いた参加者は、誰もが勝利感と高揚感に満ちて、昼からのヒロシマ大行動の集会へと向かった。(T)
この記事へのコメントはありません。