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シカゴ教組が25年ぶりのストライキ、全組合員がピケに立つ

s20120912c-1.jpgs20120912c-2.jpg 9月10日、CTU=シカゴ教職員組合(29000人)がストライキに突入した。早朝6時半から、各学校の教職員のほとんど全員がピケットラインに立ち、「ラーム・エマニュエル(市長)はやめろ!」「学校閉鎖をやめろ!」「解雇された教員を戻せ!」「学級規模の縮小を!」などのコールをした。生徒や父母も一緒に校門前に立ち、「学校を守れ」「先生を守れ」と叫んだ。
 25年ぶりのCTUのストだが、組合員のほとんど全員がピケットラインに立ったストは史上初だ。CTUは6月末の組合員投票で、投票者の98%、全組合員の90%の賛成でスト権を確立した。これもかつてない事態だ。 

s20120912c-3.jpg また、チームスターズ(運転士などの組合)第705支部は、組合ホールをCTUのストライキ本部に提供した。多くの705支部組合員がCTUのピケットに参加した。AFSCME(アメリカ自治労)第31地域協議会(地元イリノイ州全体の諸支部の連合体)は組織決定で、10日昼からのシカゴ市教育庁前での抗議集会への結集方針を出した。
 そしてCTUの上部団体であるAFT(アメリカ教員連盟)の極悪指導部さえ、「CTUのストライキ支持」の声明を出さざるをえなくなった。
 もともとAFT指導部はオマバ政権の「教育改革」に積極的に協力し、今年の大統領選挙について、年初からオバマ支持の方針を出し、オバマ政権への一般組合員の怒りと闘いを抑え込もうと必死になってきたのだ。だが、民主党オバマ政権は共和党ブッシュ政権にもできなかった教員成績給導入と大規模な学校閉鎖、チャーター化を強行し、教育労働者の憎しみの的になっている。AFT指導部も怒りの決起を正面から抑えたら吹き飛ばされる情勢に入ったのだ。
 特に、他産別の労働者との連帯、共同行動の広がりは大きな意味をもっている。
s20120912c-4.jpg シカゴの「教育改革」計画は、教育委員会ではなく、最初からシカゴ財界が主導して行われた。彼らは、交通は便利だが低所得層が住む地域で集中的に大量の学校を閉鎖し、同時に公営住宅解体、地上げを行った。そしてその地域に市財政を投入して再開発し、地価を上げてぼろ儲けした。新自由主義の極致だ。
 解雇され、住居を奪われた住民の怒りは根底的だ。当局とマスコミの教師たたき、公務員たたきの大宣伝・分断策動にもかかわらず、CTUのストライキは地域住民(ほとんどが労働者階級)の圧倒的な共感を呼び、地域の共同行動が進んでいる。(ST)
 写真は上から①ダーウィン小学校前のピケット、②街頭デモ、③シカゴ教育庁前のストライキ集会、④UNITE-HERE(学校のカフェテリアの労働者が加入している組合)の連帯デモ 

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