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中国山西省・太原の富士康工場で数千人の暴動

s20120926a-1.jpg 中国山西省の省都である太原市にある台湾系企業、富士康(foxconn)で、23日の深夜から早朝にかけて数千人の暴動が発生した。
 23日の夜11時頃、この工場の労働者3人が河南省から来た友達を連れて一緒に宿舎に入ろうとしたところ、「部外者立ち入り禁止」の掲示板が出ていなかったのに「規則違反」とされ、会社の保安員20人に入り口で徹底的に殴られて暴行をふるわれ、4人のうち1人は病院に運ばれる事態となった。この暴挙に怒って多くの労働者が保安員を弾劾し、反撃し、ふだんからの監獄的な工場管理、宿舎の管理への怒りが爆発し、労働者数千人の大暴動となっていったのである。 

s20120926a-2.jpg 工場内のスーパーマーケットは徹底的に破壊され、工場のすべての門も破壊されて倒され、保安員はすべて逃げだし、警察車両も多数破壊された。警察隊5000人が投入され、労働者と全面激突、早朝3時まで争乱は続き、40人が負傷して病院に送られ、さらに多くの逮捕者が出ているという。
 太原の富士康の工場では、今年3月にも大ストライキが起きている。こうした労働者の決起に恐怖した太原の富士工は、工場に保安員1500人を常時配置し、監獄的な工場管理をすることで対応し、労働者を日常的に弾圧してきた。この奴隷のような労働現場の現実への労働者の激しい怒りがついに爆発したのである。さらに富士康は、非正規雇用の極地ともいうべき実習生制度を採っており、実習生を1人よこせばその学校に100元、教師には750元を支払うなどして、学校と教師を買収する形で学生をただ同然の実習生として供出させ、働かせるということが日常化している。こうした青年労働者の奴隷労働への怒りが、この暴動の背景にある。工場は、この騒動は労働者同士の私的なけんかが原因と発表しているが、実は3月の労働者のストライキ以降の大弾圧体制への労働者の怒りの決起だったのである。
 この暴動の結果、工場は24日に操業を全面停止した。またこの工場はアップルの生産などを請け負っているが、この暴動の結果、発売されたばかりのiPhone5の生産にも影響は必至と言われている。
 富士康は外注による受託生産企業の世界的な企業であり、ここで働いている多くの労働者が非正規雇用であり、さらに実習生に典型的な青年労働者である。中国でも多くの労働者が、外注化と非正規雇用化の中で、それと対決して必死の闘いに立ち上がっているのだ。「外注化阻止・非正規職撤廃」の闘いは、こうした中国の労働者との連帯の道そのものである。10・1外注化決戦から11月労働者集会へ、中国の労働者との国際連帯もかけて決起しよう!(G) 

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