「仲間を返せ!」警察署をデモで包囲、日系・矢崎総業のストライキ続く
リストラと全面非正規化に反対して11月16日から始まった中国・広東省汕頭市汕頭経済特区にある日系・矢崎総業の自動車部品工場での1万3000人のストライキは、依然として続いている。11月22日、吉田という日本人をはじめとする経営者側が3人の労働者を殴打した事件がきっかけになって工場は全面的なストライキに突入したが、24日、地元の警察は2人の労働者を不当にも逮捕し、警察に勾留し、そして企業側に有利な自供を2人に強制する事態が起きた。これに怒った矢崎総業の労働者たちは、ただちに街頭デモに立った。そして警察署をデモで包囲し、仲間を直ちに釈放するように要求した。
すでにストライキは10日を超えているが、企業側の暴行や警察の弾圧と次々と襲いかる攻撃に対して、矢崎総業の労働者は女性労働者を先頭にして不屈に闘い、弾圧にも反撃で応え、そして闘いを拡大しているのである。
矢崎総業は多くの労働者を臨時工で雇い、労働者に対して低賃金と一切の社会福利を与えない状況を強いてきた。長年勤務した労働者は次々と解雇し、新人を雇うことで賃金を下げるという手法を採ってきた。8年前には「朝礼」を導入し、仕事15分前の出勤を強いたが、この規定のない日本式のやり方に対して中国人労働者は強い怒りを感じていた。あまりに現実がひどかったため、一時この労働者の待遇や福利が改善されたが、09年になって会社は一方的に労働協約を変更し、会社都合で労働者の職場配置や待遇を自由に変えることができるようにするという暴挙に出てきた。
このような悪行は、中国での日系企業がしばしば行っているやり方である。この10年間にわたる労働者のつもり積もった怒りが、このストライキの背景にあるのだ。そして今、欧州危機や日本とのあつれきが強まり、中国での日系自動車産業が行き詰まる中で、矢崎総業も深刻な経営危機に直面している。この汕頭経済特区工場の移転の話も出て、労働者に対し全面的な非正規雇用化と一時帰休の攻撃がかけられてきたのである。こうしてついに今回の大ストライキが爆発した。矢崎総業の労働者は、中国スターリン主義の警察権力の弾圧や御用組合=総工会とも対決しながら、この日帝資本との闘いを不撓不屈に貫いている。
中国共産党第18回全国代表大会の後、中国各地で大小の労働者のストライキが次々と起きている。20日から21日にかけて、浙江省温州市蒼南県で、変電所建設に抗議して1000人以上の住民が警官隊と激突し、200人が負傷し、警察車両2台が破壊される事件があった。また20日には鄧小平の故郷である四川省広安市隣水県で、バイクを取り調べた警察官の対応への怒りから1万人の暴動が爆発した。まさに中国は、中国経済の崩壊と共に大動乱状況に入りつつある。
非正規雇用や派遣労働との闘いは、中国の労働者にとっても最大の問題となっている。「非正規雇用職撤廃」「外注化阻止」の闘いを貫いて、決起する中国の労働者との団結をかちとっていこう!(K)
写真は上から①「仲間を返せ!」と警察を取り巻き抗議する矢崎総業の労働者、②警察への抗議デモのために集まった労働者たち、③抗議デモに立つ矢崎総業の労働者、④四川省広安市隣水県での暴動
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