広州中医薬大学第一付属病院で、非正規看護師ら1ヶ月超えるスト
5月20日より、広州中医薬大学第一付属病院の非正規の看護師や警備員らが1ヶ月以上のストライキを続けている。彼らは派遣労働者として、派遣先であるこの病院との正式な労働契約が無く、その結果、十年以上働いていても医療保険や社会保険に入れず、住宅手当も得られない。しかもこの看護師を派遣している広州白雲康寧科技実業有限会社は、事実上この大学病院の資本金によって建てられ経営されている会社であり、同じ資本が労働者を非正規で低賃金で使うためにのみの目的でつくられた会社なのである。
労働者らは職場である病院との正式な労働契約締結を要求して連日病院の前に座り込み、抗議し、各官庁などへの抗議要請行動に立っている。この非正規労働者の闘いに、中国の労働者や人権活動家の支援が集まっている。
この広州中医薬大学第一付属病院の看護師をはじめ、全中国で非正規労働者のストライキなど、激しい労働争議が起きている。
この背景には、改定『労働合同法』(労働契約法)が7月1日より施行されるという問題がある。
現行の『労働合同法』は昨年12月28日に改定され、派遣労働に対するいくつかの厳しい規制が設けられた。ひとつは「派遣労働はあくまでも臨時的で補助的で代替的な業務に限る」とされ、6ヶ月を超える労働はダメだとか(臨時性)、あくまでも主業務に伴う副業務に限るとか(補助性)、休暇などで労働者が足りないときの一時的なもの(代替性)でなければならないとされた。また「同一労働、同一報酬」の原則が確認され、派遣労働者も正社員と同じ労働につき同じ賃金が支払われなければならないとされた。
このような労働合同法の改定に政府を追い込んだのは、中国全土で吹き荒れる連日の労働者の闘いである。嵐のような労働者の闘いがこの地平をかちとった。
だが、実際にこのような法的規制がどこまで守られるかは大きな疑問がある。補助性などの概念はあいまいであり、違法労働は依然として半ば公然と横行するとも指摘されている。
そして7月1日施行を前にして、派遣労働から外注化への大きな動きが中国で起きている。企業は、派遣労働が厳しく規制されるのを前にして、派遣から外注化へと経営形態を変えているのである。一方で派遣会社も、派遣会社から外注請負企業に変わろうとしている。派遣労働者も同時に、その多くは形だけは正職員となるが、外注請負企業の中で極限的な低賃金労働者として働くことになる。こうして資本は外注化を通じて、派遣労働者にかけられた法的規制をかいくぐり、低賃金労働を確保することができ、今まで同様の利益をあげようとしているのである。
こうした中国スターリン主義と資本の労働政策への怒りが、広州中医薬大学第一付属病院の看護師をはじめとする非正規労働者の闘いとなって今、爆発しているのである。
こうした狡猾な労働者の非正規化、さらなる奴隷労働化は、中国の労働者階級の新たな決起を呼び起こすことは不可避である。また動労千葉の掲げる「外注化阻止・非正規職撤廃」の闘いは、まさに中国の非正規労働者の闘いと一体のスローガンである。中国の労働者との連帯をかけて、国鉄決戦をはじめとする4ヶ月決戦を闘いぬこう!(K)
[写真は、病院前に座り込み、労働契約の締結を要求してストライキを闘う看護師ら病院の職員]
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