北海道労働者集会が大成功、国鉄決戦で新自由主義攻撃への大反撃へ
札幌で10月6日、タクシーを中心に30名の結集で国鉄闘争全国運動・北海道が主催する労働者集会が開催されました。JR北海道の相次ぐ事故は、道民の大半が「できれば乗りたくない」というくらい、鉄道会社としてもはや立ち直りようのない状態です。これはJR体制全体の破たんという氷山の一角に過ぎません。同時に国鉄分割・民営化攻撃に始まる新自由主義攻撃の全面的な破たんです。集会は、こうした状況に対して新らたな国鉄署名と物資販売を武器に、国鉄決戦で新自由主義攻撃への大反撃に立ち上がり、当面11・3労働者集会に総結集することが確認されました。
集会では、動労千葉鉄建公団訴訟の藤田正人弁護士が「新自由主義下の労働法制改悪-外注化・非正規職化とどう闘うか-」と題して講演。藤田さんは冒頭、今日の状況として、自民党が1割の支持しか得られなかった参院選の結果は支配のかつてない危機を示しており、それが麻生の「ナチスの『改憲』、実は憲法停止を見習うべき」という発言につながったと分析しました。
また、「国は福島原発事故と1000兆円の大借金を抱えてオリンピックどころではない。だから安倍政権は、解雇自由や残業手当撤廃など労働条件の一切の制約を解体し、救急車さえも民営化する公共サービス解体を狙うなど、とんでもない労働者階級への攻撃を企んでいる」「アメリカはドル札と国債を無制限に印刷し、これではドルは早晩大暴落するのは当たり前」と、安倍政権の思惑も根底から吹っ飛ぶと今後を見通しました。
さらに動労千葉鉄建公団訴訟での9・25高裁判決について、難波裁判長でさえ「カクマルが騒いで動労千葉や国労の組合員を採用名簿から除外したことの不当性を否定しきれなかった」と、署名運動など国鉄闘争が発揮した力の大きさを明らかにし、「JR北海道の現状は『新自由主義はもう崩壊している』ということ、安全闘争でレールを交換させた動労千葉のような闘いが必要」と訴えました。
藤田さんは広島での日弁連の人権擁護大会から札幌に駆け付け、共産党支持の弁護士との激しい論争を展開してきたことを報告しました。「司法改革による弁護士激増によって、ロースクールで1000万円の借金を背負わされ、弁護士になっても働く場がない」というのが現状です。しかし「共産党は新自由主義の司法改革そのものに反対して闘うのではなく、所得の再分配を求めているに過ぎない」「国と真っ向から闘わずに『仕事を寄越せ』では、満州国の官吏に収まった戦前の弁護士の二の舞」と、その正体を暴きました。
ワーキングプア化は、弁護士もタクシーなど労働者もまったく同じ。それをもたらした新自由主義が今、全面的に破たんし、闘えば勝てる情勢であることを藤田さんの講演は明らかにしてくれました。弁護士は司法改革によって、タクシー労働者は規制緩和によって、いずれも新自由主義によって生きられない状態に追い込まれている存在同士であることが分かり、藤田さんら闘う弁護士から集会の参加者全体が展望と勇気をもらいました。
呼びかけ団体の自交総連北海道地連の堀川忠委員長は、「企業が利益を求めるのは当然だが、安全なしには利益どころではない。しかし安全を無視してまで利益追求に走っているのがJR。民営化した国の責任は明らか。安全じゃないのにJR北海道の労働組合はなぜ闘わないのか。『利便性』による分断を打破して労働者は団結して闘おう」と訴えました。同じく札幌圏連帯労働組合の堀井克之委員長も「政治解決による分断をのりこえ、大同小異の立場で闘おう」と訴えました。
基調報告で自交総連SKさくら交通労働組合委員長の河野晃興さんは、「JR北海道の安全崩壊は国鉄分割・民営化の結果であり、これをひっくり返さないと自治体・学校の民営化による全員解雇と安全崩壊に行きつく」と国鉄闘争の重要性を強調。「動労水戸の被ばく労働拒否のストライキが国労郡山工場支部の闘いに引き継がれたように、国鉄闘争は必ずJRなどの青年労働者・労働者全体の反乱と一体化して発展する」「国鉄闘争を軸に労働組合の結集を実現し、11・3に総結集しよう」と訴えました。
さらに4~6月ストライキをめざして闘った自治体労働者、今年職場に労働組合を結成した福祉労働者、全国キャラバンの山本太郎さんとエールを交換し、10・5泊再稼働阻止の岩内現地行動に参加したNAZENさっぽろから発言を受け、自交総連北海道地連(堀川委員長)書記長の杉本一郎さんからのまとめを全体で確認し、大成功のうちに閉会しました。(札幌J・S)
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