「4・9反核燃の日」行動 NAZEN青森が集会 内部被曝撃つ公開討論
4月5日午後2時、「4・9反核燃の日第29回全国集会」が青森市内で、原水禁などで実行委員会の主催のもと開催された。断続的な吹雪の中、労働組合など1200人が結集し、原発再稼働と六ケ所再処理工場本格稼働阻止を誓ってデモ行進を行った。
集会では、原発事故後青森に避難していた母娘が、最近、経済難から福島に帰らざるを得なかった話や、田村市都路地区に示される帰還政策への怒りの発言があった。九州代表や、北海道泊原発現地の代表者は、最初に再稼働が狙われている鹿児島県川内原発の再稼働の絶対阻止を訴えた。
動労千葉を支援する会・八戸の仲間、国労秋田闘争団の小玉忠憲さんは吹雪の中、国鉄1047名解雇撤回・最高裁署名を37筆集めた。
午後6時、「NAZEN青森結成2周年集会」が青森市内で開催された。ふくしま共同診療所の布施幸彦医師が「福島から内部被曝を考える」と題して講演し、それを受けて県内の2人の医師が加わりパネルディスカッションを行った。コーディネーターは南部バス労組の間山正茂委員長が務めた。
布施医師は小児甲状腺がん多発の問題、特に県の甲状腺エコー評価の問題点を熱心に解説した。「もともと5・0㍉以下の結節は問題ないとする判断基準そのものがおかしい。A2判定とされた者すべてが異常であり、注意深く経過を見ていくべきだ」と訴えた。
さらに、深刻な避難生活の現状を示し、仮設住宅に自ら健康相談に出て行く決意を述べた。そして、「診療所は第二のフクシマをつくらないために、日本から原発をなくすために活動する」と講演を締めくくった。
続いて、県内の整形外科開業医が報告に立った。小児甲状腺がんの多発は「スクリーニング効果」の結果であり、大人になるまで見つからなかったものが見つかったのだという福島県立医大の主張を取り上げた。医師として「真っ向勝負」の反論を挑みたいと、自らの統計的分析を示して解説した。「スクリーニング効果」論を具体的なスクリーニング予想数の計算で批判するというもので、「放射能の影響ではない」とは言えないという結論が導き出された。
もう1人の医師は3・11後の秋に開催された日本医学放射線学会総会に参加し、山下俊一の部下にあたる人が「福島原発事故に関して一番不安をあおっているのは、放射能のことを良く知らない一般の医師だ」と発言したことに衝撃と怒りを覚えたと紹介。そして、「100㍉シーベルト以下なら安心」は大ウソで、外部被曝の10㍉シーベルトでも危険だと示すデータがあると訴えた。
さらに討論では、小児甲状腺がん多発が放射能の影響であると確定的に示すのは難しく、一定の規模での統計が必要だとも議論された。しかし、だからこそ県立医大はデータを独占し、「放射能の影響」を否定するのだ。布施医師の見解が決定的だ。「現在のところ、『内部被曝』や『低線量被曝』がどれほど人体に被害をもたらすかはっきりしているわけではない。はっきりするのは数年から数十年かかるかもしれない。しかしその時になってやはり人体に対する被害は甚大であったと分かっても、福島でその間住んでいた人びと(とりわけ子どもたち)にどう責任をとるつもりなのだろうか。福島を放射能の人体実験場にしてはならない」
最後に、「NAZEN青森は、本日をもって、ふくしま共同診療所の闘いを私たちのものとして共有して全力で闘っていく。青森の反原発・反核燃の闘いを安倍打倒の闘いとして、福島と結合して闘っていく」とまとめが提起された。集会には50人が結集し、闘う決意を打ち固めた。
5日午前には全国市民集会も開催され、北海道泊原発現地の岩内町から、大間原発訴訟を起こした函館市からそれぞれ闘いの報告が行われた。
翌6日午前10時、六ケ所再処理工場門前に350人が結集し、「原発再稼働阻止! 再処理工場本格稼働阻止!」を叫んで拳を突き上げた。日本原燃は再処理工場を来年3月に操業しようと狙っている。プルトニウムを抽出し日本の核武装を実現するための工場の稼働を許すな! NAZEN、8・6―8・9反戦反核実行委員会の仲間は独自の前段集会を開き、全体集会をリードした。正午過ぎには100人の参加で村内デモが闘われた。
今回われわれは、国鉄解雇撤回最高裁署名を集め、「職場で勝って社会を変えよう」と訴えた。NAZEN青森2周年集会の開会あいさつに立った共同代表の岩田雅一八戸北伝道所牧師は、「生き死にの問題だ。福島とともに生きる権利を主張し、差別と戦争、犠牲を強いるシステムである原発・核燃を今すぐなくそう!」と訴えた。
国鉄闘争全国運動とNAZENの闘いが、日本労働者階級の進路を示す。全力で発展させよう。(青森・S)
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