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三里塚第3誘導路裁判、成田空港を根底から批判

20140612a-1.JPG 6月9日、千葉地裁民事第3部(廣谷章雄裁判長)で、第3誘導路裁判が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援の労働者・学生・市民は「農地死守」の気概に燃えて闘った。
 今回は裁判長交代にともなう更新手続きとして、反対同盟顧問弁護団が意見陳述を行った。

 成田空港の存在自体が根本的に問われなければならない。NAAは空港の機能強化が公共性、緊急性を有するものであり、国際競争力強化のために必須不可欠であると主張するが、まったくの虚構だ。一握りの資本家の利益のためのものにすぎない。「競争力強化」がもたらした結果は、貧困の増大、格差社会ではないか。今や羽田空港の国際化によって、成田は旅客、貨物とも需要が頭打ちとなり、破綻に瀕している。第3誘導路は、天神峰・市東孝雄さん追い出しのためだけに造られたものであり、農民の農地を破壊して造られる空港にいかなる道理も正義も存在しない。
 こうした堂々たる主張が法廷を圧し、傍聴席からは拍手が起きた。
 さらに、反対同盟が昨年末に行った、天神峰など空港周囲各所でのジェット機の離着陸時や地上走行時の騒音の測定調査、さらに第3誘導路など3本の誘導路の運用実態調査の基本的データを提出した。これらは、厚木基地訴訟で住民の健康被害を調査し鑑定書を書いた北海道大学の松井利仁教授の監修で整えられたもので、今後さらに綿密な分析を行った調査報告書として提出される。
 次回期日を9月16日として閉廷した。
 千葉県弁護士会館で、反対同盟事務局の伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。葉山岳夫弁護士を始め弁護団全員が、この日の法廷の要点を解説し、反対同盟とともに廃港を目指して闘う決意を表した。
 質疑応答の中で、6月25日に第2回弁論を迎える市東さん農地裁判控訴審において、NAA側がただ「原判決は正しい」とだけ書いて自分たちの主張を一切隠した無内容でふざけきった文書を出してきたことを、葉山弁護士が怒りを込めて報告し断罪した。そして、6・25法廷で控訴理由書の陳述をやり抜いて早期結審策動を粉砕することを明らかにした。
 動労千葉の後藤俊哉さん、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会が連帯発言を行った。続いて、この日傍聴に参加した、国労闘争団の小玉忠憲さん、羽廣憲さん、石﨑義徳さんが紹介された。3人を代表して小玉さんが「昨日、動労千葉とともに国鉄闘争全国集会を1620人の結集でかちとった。私たちも2010年の『4・9政治和解』をきっぱりと拒否し人生をかけて闘っている。反対同盟の不屈の闘いとの強いつながりを感じる。闘う労働運動の力で、三里塚の勝利に貢献したい」と決意を表した。参加者は、3人に惜しみない熱い拍手を送った。
 最後に野戦病院の大熊寿年さんが、3万人署名への今一歩の奮起を訴え、6・25東京高裁包囲の大結集へ向け闘うことを全員で誓い合った。(TN)

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