3・29三里塚 成田市栗山公園で総決起集会「市東さんの農地取り上げを許すな」
3月29日、成田市の栗山公園で三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する「市東さんの農地取り上げを許すな! 戦争とめよう!」全国総決起集会が開催された。市東さん農地裁判控訴審の3・4弁論打ち切り・結審強行に対し怒りに燃えて、全国の労働者・農民・学生・市民920人が結集し、安倍戦争政治と対決して農地を守る決意を示した。
会場では、三里塚闘争を記録した写真パネルが多数展示され、実力闘争49年の歴史をあらためて参加者に思い出させた。また一昨年の暮れに急逝した、事務局次長・萩原進さんの追悼集(反対同盟編集)が完成し、会場で販売された。
本集会に先立つフリートークでは、婦人民主クラブ全国協代表の三浦正子さん、全学連の斎藤郁真委員長、元杉並区議の北島邦彦さん、星野全国再審連絡会議共同代表の戸村裕実さん、全国水平同盟委員長代行の久原正子さんらが次々と三里塚への連帯を語った。
12時30分から、婦人行動隊の木内敦子さんの司会で本集会が開始された。最初に主催者あいさつとして北原鉱治事務局長が登壇した。「47年前、成田市営グラウンドだったこの場所で、反対同盟と青年・学生は国家権力・機動隊との実力闘争を闘った。今またここで全国集会を開き感無量だ。安倍政権は危険な戦争政治を行い、軍事空港造りのために市東孝雄さんの農地を奪おうとしている。再び強制代執行のような事態を許してはならない」と訴えた。
連帯のあいさつとして、最初に動労千葉の田中康宏委員長が、動労水戸の石井真一委員長を伴って登壇した。まず石井委員長が3・14ダイヤ改定に対する動労水戸のストを誇らしげに報告し、安倍政治によりかかって常磐線開通を強行するJR東日本を激しく弾劾し、被曝労働拒否を闘いぬくことを明らかにした。
続いて田中委員長は、動労千葉もともに担った47年前のこの地での闘いに始まる実力闘争を「三里塚が守りぬいてきた正義」と称え、それを体現する市東さんの農地死守闘争への限りない連帯を表した。そして、戦後最大の労働運動問題である国鉄分割・民営化攻撃をめぐる鉄建公団訴訟において、最高裁をいまだ判決が出せないところに追い込んでいることを報告した。さらに3・14ダイ改攻撃に対し、JR東日本への怒りを束ねて徹底的に闘いぬき、労農連帯のきずなをさらに発展させることの中に、日本の労働運動を変革する展望があることを、確信をもって述べた。
関西新空港反対住民のあいさつに続いて、反原発を闘う福島から佐藤幸子さんが発言した。ドイツ、アメリカの反原発の闘いとの連帯を示し、「復興」「除染」とは名ばかりの福島の現実を鋭く告発し、命を奪う原発と空港建設に立ち向かう決意を述べた。
さらに沖縄・辺野古新基地建設阻止、経産省前テント広場、川内原発再稼働阻止の闘いの現場からの報告と発言が次々と行われた。それに続き、地元の成田市民が登壇し、力を込めて「NAA、千葉県、成田市、国は市東さんに対する農地取り上げの一切の行動をやめよ。住民の生活を破壊する夜間飛行をやめよ」と強く要求した。
婦人行動隊・宮本麻子さんのカンパアピールに続いて、ピアノとバイオリンの伴奏による「反対同盟の歌」などが披露され、会場の空気を賑わせた。
司会を伊藤信晴さんに交代し、いよいよ天神峰の市東孝雄さんが「農地死守」のはちまきを着け登壇すると、マスコミのカメラが前に殺到した。「農地裁判の抜き打ち結審は不当であり、絶対に認められない。また、耕作権裁判が間もなく再開される。この裁判も私の畑を守る重要な闘いであり、必ず勝つまでがんばる。全国に“農地を守る会”をつくっていただき心強い。沖縄、福島とともに、私の命である農地を守り天神峰で有機農業を続けていく」と鮮明な闘志を表した。会場は大きな拍手で沸いた。
さらに反対同盟顧問弁護団が壇上に並び、裁判闘争勝利への決意を述べた。葉山岳夫弁護士は、47年前のこの地での闘いで、戸村一作委員長が頭部に重症を負い、以降反対同盟が労農学人民の団結で「空港絶対反対」の実力闘争を貫いてきたことを称え、「これからが正念場。弁護団は反対同盟とともに必ず勝利する」と力強く述べた。
「市東さんの農地取り上げに反対する会」「群馬・市東さんの農地を守る会」「市東さんの農地を守る会・茨城」が、連帯発言を行った。3月1日に発足した茨城の会を代表して動労水戸・木村郁夫書記長は、労農連帯を基軸に安倍政権への怒りを結集し運動を発展させることを誓った。
緑色ののぼりを掲げて全国農民会議が壇上に並ぶと、ひときわ大きな拍手と声援が起きた。共同代表の小川浩さんは、農協解体攻撃に象徴される安倍の新農政に対し、全国の農民が三里塚に連帯して立ち上がる時であることを呼びかけた。さらに沖縄から参加した農民が、「辺野古新基地建設に日ごとに怒りが高まっている。基地労働者の闘いも始まっている。三里塚・沖縄・福島の連帯、労働者と農民の連帯で安倍を打倒しよう!」と力強くアピールした。
全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の西山直洋執行委員は、公安警察を手先に使った組合破壊攻撃を弾劾し、三里塚とともに闘う気概を示した。
集会は大詰めを迎え、東峰の萩原富夫さんが農地強奪攻撃への怒りをあらわに、「反対同盟からの提起」を行った。「住民の健康被害を顧みない〝第3滑走路〟建設策動を絶対に許さない。控訴審結審が強行されたが、闘いは終わっていない。農地取り上げに反対する3万人署名を何としても集めきり、東京高裁への提出を一大闘争として闘おう。再び霞ケ関に攻め上ろう。この秋、空港敷地内の東峰の畑で開催する10・11全国総決起集会に大結集しよう!」
最後に、太郎良陽一さんが集会宣言を読み上げ、全参加者が心を一つにして団結ガンバローを三唱した。
反対同盟を先頭に、長蛇のデモ隊列が会場から成田市内に躍り出た。国道51号線から成田山の新参道へ。さらに降り出した雨をものともせず、かつての路面電車跡の「電車道」を進む。「第3滑走路建設推進」の旗を振る成田商工会議所の前では、怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。さらに成田市役所前を前進。市職員たちがデモ隊の「侵入」を阻止するために、出入り口前に張り出している。空港の手先と化した行政に、参加者の怒りが倍加した。
行く先々で、住民・労働者がデモの力強さに目を見張り、笑顔を見せ、手を振って応援した。大量動員された警察機動隊・公安刑事に一指もふれさせず、最後は降りしきる雨の中を再び栗山公園に到着した。
3・29闘争は、成田市民の怒りと結びつき、三里塚闘争が新たな飛躍・発展へ進む第一歩となった。(TN)
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