韓国 鉄道労組が決意大会 9・27から無期限スト突入
9月10日、韓国で、民主労総の9月ゼネストへ向けた鉄道労働者の総決起大会が開かれた。公共部門を束ねる公共運輸労組はすでに、9月27日からパククネの「労働改悪」攻撃粉砕の無期限ゼネストに突入する方針を決定している。この闘いに決起する15公共機関・6万2千人のうち、最大の主力となるのが組合員2万人の全国鉄道労組だ。
この日午後、ソウル駅前広場で開催された大会には全国から5千人が結集した。鉄道労組の旗が林立する中、「ゼネスト勝利」「民主労組死守」「成果退出制阻止」の真新しい旗が大きく翻り、「成果主義、強制退出STOP」「ともに行き、ともに戻る」のプラカードが高く掲げられた。
「成果退出制」とは、個人の業績評価を賃金決定の基準とした上で、評価が低いことを口実に労働者の首を簡単に切れる制度を意味する。発言に立った鉄道労組のキムヨンフン委員長は、「成果主義の導入は、危険な外注化と鉄道の分割・民営化につながる。公共部門の金もうけ手段への転落を許してはならない」と訴えた。
ソウル地方本部のパクチョンソン本部長をはじめとする鉄道労組の五つの地方本部長が、韓国全土を揺るがした2013年末の23日間にわたる大ストライキに続く闘いに、鉄道労組が再び民主労総の先頭に立って乗り出す決意を語った。公共運輸労組のチョサンス委員長は、「9月27日をもって史上最大の無期限ゼネストに突入する」と力強く宣言。公共運輸労組傘下の国民年金、釜山地下鉄、ソウル大学病院、ソウル地下鉄、ソウル都市鉄道などの労組代表も壇上に上がり、ストへの準備を整えたことを明らかにした。
●「クイ駅事故繰り返すな」
鉄道労働者の中では、パククネ政権が7月、鉄道の全面民営化攻撃に出てきたことへの怒りと危機感が高まっている。成果主義の導入による賃金制度の大改悪は最終的に、日本での国鉄分割・民営化と同じ大攻撃に道を開くという危機感だ。
すでに業務の外注化の進行により安全の崩壊が始まり、重大事故が頻発している。今年5月にはソウル地下鉄2号線の九宜(クイ)駅で、ホームドアの修理作業をしていた青年労働者が、ホームに入ってきた電車とドアの間に挟まれて死亡する事故が発生した。ドアの維持・補修業務が外注化され、列車の運行を統括している管制室と直接連絡がとれない状態で、しかも人員不足によりたった一人での作業が強制された結果である。この惨事はすべての労働者に衝撃を与え、外注化・民営化絶対阻止の決意をあらためて固めさせている。
27日の朝には鉄道労組とともに、ソウルや釜山など全国各地の地下鉄労組が一斉にストに突入する。鉄道と地下鉄が同時にストに入るのは22年ぶりといわれる。9月ゼネストの大爆発は必至だ。動労千葉の9・13スト決起を先頭に、これと固く連帯して闘おう。
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