韓国・民主労総 無期限ゼネスト3週目に 農民・ペクナムギ氏虐殺糾弾も パククネ打倒へ破竹の進撃
韓国・民主労総のゼネストはパククネ政権への全人民の怒りを結集し、ますます力強く発展している。9月27日から開始された公共運輸労組の無期限ストは、10月10日に14日目を迎えた。鉄道労組と国民健康保険、国民年金、ソウル大病院などの各労組はその中心で、一寸の揺るぎもなく団結しストを継続している。10日からは大型トラックなどの運送労働者を組織する貨物連帯もストに突入し、物流の停止が現実となる。
ソウル地下鉄労組などはすでに成果退出制導入阻止の勝利をかちとり、ストを中断して業務に復帰したが、政府が強行姿勢を続けるならいつでもストを再開する構えでいる。他方で新たにストに加わる労組が次々と出ている。
スト8日目の10月4日には、ソウルで2回目の公共運輸労組のゼネスト大会が開かれ、再び3万人が大結集した。この日は4万4千人がストに決起。そのうち江原ランド労組2800人は労組結成以来初めてのストに立ち、江原道の山奥から4時間かけてバス数十台を連ねて大会に合流し、盛大な拍手を受けた。
国民健康保険労組は組合員の45%、国民年金支部は30%が新規の組合加入者で、スト未経験の組合員も多い。だがその彼らを含めてほぼ100%がストに参加している。彼らはその理由を集会でこう語った。「当局は私たちに、貧しくて保険料を払えない人から強制的に取り立てろと言う。多く取り立てた者ほどその『成果』に応じて賃金を上げると。こんなことが認められますか? 私たちはみじめな労働者にはなりたくない!」
●壁新聞がストへの声援送る
成果主義賃金絶対阻止を掲げた民主労総のゼネストは、パククネ「労働改革」の本質を暴き、今や全社会にストへの支持を拡大している。ストが長期化する中で、「不便でも大丈夫! ストを支持する市民」という壁新聞が、地下鉄の駅や大学街に貼り出されている。
その一つ、「私はストライキ中の鉄道労働者の娘です」で始まる壁新聞は、2013年の鉄道ストの時には高校1年生で父が職を失うのではないかとひたすら恐れていたが、その後に起きたセウォル号事件や地下鉄での事故を見て、同じ惨事が自分の身に起きてもおかしくないと思ったと語っている。そして「今私は父のストライキを恐れても、気にしてもいません。むしろ誇り、自慢したいと思います」「現在ストライキ中のすべての労働者たちは、(セウォル号の船長のように)船を捨てて逃げる代わりに全身でぶつかっています」と、このゼネストが社会の変革をかけた闘いであることを強調している。
●国家暴力発動には総力対決
追いつめられたパククネ政権はますます凶暴化している。中央労働委員会がストの合法性を認めた後も「ストは違法」と言い続け、また現代自動車の賃金闘争にも国家権力の「緊急調停権」を発動して暴力的に争議をやめさせると言い出した。
これに対して民主労総は10月6日、記者会見を開いて「スト破壊の弾圧はより大きなゼネストに火をつけ、パククネ打倒の全民衆総決起の起爆剤となるだろう」と宣言した。金属労組現代自動車支部のパクユギ支部長は「緊急調停権が発動されれば、現代自動車資本の系列下にある全労組・全組合員10万人以上がゼネストに突入すると決定した」と発表した。
10月6日にはこの後、首都圏の組合員1万人を結集して集会と与党・セヌリ党本部へのデモが闘われた。民主労総のチェジョンジン委員長代行はこの場で、①現代自動車への緊急調停権発動、②現在続行中のストへの公権力投入、③権力に虐殺された農民のペクナムギ氏の遺体強奪の場合、直ちに民主労総の全組織を挙げ一大決戦に突入するとの方針を打ち出した。
闘いは重大段階に入った。10月10日からの米韓合同軍事演習は、北朝鮮スターリン主義への軍事挑発であると同時に、何よりもこの韓国労働者階級のゼネストを圧殺し、パククネ政権の延命を必死に策動するものだ。これと闘い、民主労総と連帯して11月国際共同行動の勝利を切り開こう。
〔写真〕(上) 無期限ストに突入して8日目、全国から再びソウルに結集し、2回目のゼネスト総力闘争大会を
かちとり、デモに立つ公共運輸労組の組合員(10月4日)
(中) 「10月民衆抗争70年精神継承全国労働者大会」に組合旗を持って参加した広島連帯ユニオン青年部
長(10月1日 大邱)
(下) ゼネストを断固支持する市民の声が壁新聞として地下鉄の駅などに貼り出されている。写真は
鉄道労働者の家族が出したもの(ソウル)
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