三里塚一斉行動――住民の決起が始まった
1月15日、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援連などは第45回の空港周辺地域一斉行動を行った。1月9日の新年団結旗開きの成功を受け、天神峰・市東孝雄さんに対する農地強奪の強制執行を阻止するため、決戦本部立ち上げての最初の行動だ。朝8時30分、通常より多い30人が、強い意気込みのもと市東孝雄さん宅離れに集まって、打ち合わせに臨んだ。
まず、司会の伊藤信晴さんが、成田空港会社(NAA)の空港機能強化案(第3滑走路建設とB滑走路1千メートル延伸)への地域住民の状況について説明した。「各部落での説明会が継続して行われているが、住民の間での変化も生まれている」「住民としてどういう行動をとったらいいかが説明会の場で論議になっている。住民投票を求める声なども出ている。今日一日、こうした住民の間に分け入って交流しよう」と語った。
萩原富夫さんは「現地の外から初めて今日の行動に参加してくれている人がいる。ありがたい。決戦本部では1月21日のDVD上映会など、現地に人びとが集まれる状況をどう作るかについて、知恵を絞っている。空港機能強化粉砕へ今日一日闘おう」と提起した。
市東さんは「でたらめな攻撃があり、いろいろ大変な情勢ではあるが、われわれの闘い次第で逆にこれを打ち破れる情勢でもある。暴挙を絶対に許さないという意気込みで今日一日がんばろう」と呼びかけた。
三里塚現闘員も「第3滑走路の強行は、孫子の代まで、その家の人生を左右するような大変な問題。反対の声はますます強まっている。計画の実行は、まだ何も決まっていない状況であることを、しっかり周辺住民に呼びかけよう」と提起した。
9時すぎ、参加者が一斉に担当地区へ向かった。伊藤信晴さんは自身の住む芝山町の白桝部落の説明会が2月4日予定されているため、「説明会に参加して、NAAを追及しよう」と同部落を中心に訴えかけた。宮本麻子さんは成田市川上地区を回り135軒に「反対同盟ニュース」第40号を配り、市東さんの裁判で署名をしてくれた人などと熱く交流した。
全学連三里塚現地行動隊は、11月から芝山町の南側に位置する多古町、横芝光町にまで活動範囲を広げ大きな成果をあげてきた。今回も、1月9日から加わった新行動隊員と2人で、部落丸ごと移転対象になる多古町北部を中心に、「まだ何も決まっていない。今立ち上がれば空港機能強化案は止められる」と訴え、住民との関係を深めた。
午後5時、全体が市東さん宅離れに戻って、一日の活動を報告しあった。芝山町、多古町、横芝光町の3つの部落で、反対決議が上げられたことが報告された。そのうちの横芝光町の部落では近々「空港機能強化案反対」の看板を立てると決まったことが報告された。芝山町の相川勝重町長は、3月までに中間の取りまとめを行うと公言している。NAAは「対話型説明会」なるものを成田市、芝山町、多古町などで展開している。
住民の怒りがいよいよ具体的な行動になりつつあることを全体で確認し、この動きをさらに加速すべく、次の行動日を2月18日に決めて一日の行動を終了した。(0)
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