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第3誘導路裁判、国に「強制収用」暴論の撤回を迫る

20170518b-1.JPG 5月16日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で第3誘導路裁判の弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生は、天神峰・市東孝雄さんの家と畑を包囲するB滑走路と第3誘導路への怒りを新たにして闘った。
 被告の国と成田空港会社(NAA)は、昨年6月以来、市東さんを攻撃する暴論を主張している。
 「原告市東は自由意思で天神峰の家に戻り住み続けているから騒音被害を受忍すべき」「市東の居宅は土地収用法で収用されるはずだったので人の居住を予定していない」「市東に原告適格はない」
 祖父の代からの農地を受け継ぎ、この地に住み営農を続ける市東さんに対し、この言い草はなんだ! 盗人猛々しいとはこのことだ!

20170518b-2.JPG 弁護団は被告を追及してきたが、その中で国は、成田空港の事業認定が失効した事実について「不知」=知らないなどと答えてきた。市東さんに向かって「収用されるような場所に今も住んでいるのが悪い」「強制収用は今でも可能だ」と言わんばかりのこの恥知らずな態度・言動を絶対に許さない!
 この日は陪席裁判官の交代に伴う更新手続きとして、弁護団が1時間に及ぶ全面的な意見陳述を行い、住民の生活を破壊する第3誘導路の供用停止と、市東さんへの暴言撤回を強く求め、再度の求釈明を行った。
 十数人も居並ぶ国・NAAの代理人は、貝のように全員口を閉ざしている。法律家の装いで法律をねじ曲げて国策に奉仕し、人民の生活を踏みにじるのが彼らの仕事だ。
 裁判長は、被告に対して「『収用されるはずだった』というのは、原告適格の問題と法的にどのように関連しているのか」と次回までの釈明を求めた。当然の質問だが、あまりにもデタラメな被告の主張の体裁を繕うための助け舟とも言える。次回期日を7月11日として閉廷した。
 千葉県弁護士会館で、太郎良陽一さんの司会で報告集会が開かれた。葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が、被告の暴言の数々について撤回を求めて徹底的に追及していく決意を明らかにした。また、NAAが5月9日付準備書面で、WHO(世界保健機関)の「欧州夜間騒音ガイドライン」について、「わが国の健康被害の判断に用いるのは誤り」「WHOの健康概念は理想にすぎない」と真っ向から否定してきたことを強く弾劾した。
 動労千葉の滝口誠さんが連帯発言に立ち、羽田空港「機能強化案」で都心上空を飛ぶ新飛行ルートに対し、住民の怒りが高まっていることを報告した。さらに市東さんの農地取り上げに反対する会の発言を受け、最後に太郎良さんが、裁判と強制執行阻止署名への取り組みの強化を訴え、7月9日に三里塚現地闘争を行うことを報告した。
 報告集会を終えると参加者の多くは、共謀罪に反対する人びとと合流し署名を集めるために、車に乗り込んで東京へ向け出発した。(TN)

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