都議会開会日に申し入れ 都立病院独法化に向けた定款案撤回を
第3回東京都議会定例会の開会日である9月28日、都庁で「都立病院をつぶすな!」署名運動呼びかけ人による申し入れと第5次署名提出行動が行われた。提出先は小池百合子・東京都知事と西山智之・都病院経営本部長だ。今定例会での「東京
都立病院機構」の定款案採決を絶対に阻止しようと、医療・介護・福祉現場の労働者を先頭に多くの仲間が駆けつけた。
冒頭に、多摩連帯ユニオン根岸病院分会の徳永健生分会長が申入書を読み上げた。「都立病院が都立病院でなくなれば、民間の医療体制、介護事業も崩壊する」「コロナに乗じて社会保障としての医療を戦時医療・有事体制に変えようとする小池都知事の暴挙を私たちは絶対に許さない」と、定款案の即時撤回を強く求めた。
続いて、現場労働者を先頭に病院経営本部の職員を鋭く追及。中でも、「独法化することで、感染症により機動的に対応」などという説明文に怒りが集中した。参加者は「コロナの第5波で患者が医療を受けることすらできない状況になった。小池都知事は『自宅を病床に』と述べ、都内では8月中に112人が自宅死させられた。独法化されれば死者はさらに増える」と、日々患者が殺されていることへの怒りと悔しさをたたきつけた。
「独法化しないと感染症対策はできないのか?」との問いにも、病院経営本部側は「柔軟・迅速」「機動的」に対応するために独法化すると繰り返すのみだ。これに対し「公的医療機関の労働者が公務員の身分をはぎとられたらどうなるか。民間病院でのクラスターで真っ先に感染しているのは労働条件が劣悪な非常勤や派遣、委託の労働者だ」「公的医療体制を拡充する以外に解決方法はない」と現実を突きつけた。
また、病院経営本部が説明文で「有事」「平時」という概念を強調していることについても「『緊急時』に都知事が独裁的に強権を発動するということか」「『有事』の医療、戦争をやるための医療など、医療でもなんでもない」と、改憲・戦争攻撃の一環としての独法化の本質を暴き、鋭く弾劾した。
この場には都立病院の患者も参加し、「都立病院として残してほしいというのは地域の声」「コロナで都立病院の大切さを思い知ったはずだ」と訴えた。
最後に徳永分会長が新たに2706筆の署名を提出。累計数は1万3066筆に達した。その後は都庁前でマイクアピールを行い退勤する労働者に署名を呼びかけた。定例会会期中、6日昼の都庁前デモをはじめ連日の闘争が呼びかけられている。定款案撤回・独法化阻止へ全力で闘おう。
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