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リニア新幹線トンネル工事で死亡事故―危険なリニア工事を即時中止せよ

「肌落ち」崩落事故で労働者2人が死傷したリニア新幹線「瀬戸トンネル」の斜坑内

10月27日、岐阜県中津川市のリニア中央新幹線トンネル工事現場で崩落事故が発生し、岩石の下敷きになって労働者1人が死亡し、1人が足の骨を折る重傷を負った。予定されていた2027年リニア開業が絶望的となる中で、高まる反対の声を押し切り、あせりに駆られて各地で工事を強行してきた結果がこれだ。一切の責任はJR東海と国にある。すべてのリニア工事を中止せよ!
事故が起きたのは中津川市の「瀬戸トンネル」本線につながる、非常口用トンネル(600メートル)の掘削現場。入口から約70メートルのところで発破作業を行った後、不発の爆薬が残っていないかの点検中に「肌落ち」と呼ばれる上部の崩落が起きて、2人が巻き込まれた。

JR東海記者会見(上)と事故現場

この重大事故についてJR東海は28日付声明で、「本事象により、トンネル内で作業をしていた作業員1名が死亡」とし、事故とさえ認めていない。28日夕方の記者会見でJR東海の新美憲一執行役員は、原因究明などそっちのけで「プロジェクトへの大きな影響はない」と言い放ち、今後も何が起きようと工事を進める姿勢をあからさまにした。
だが今回の事故は、非常に複雑な地層となる山の奥深くを爆薬と重機で掘削し、その振動で地盤が緩んだのが根本原因であることは疑いない。19年にも中津川市で「中央アルプストンネル」の作業用トンネル上の雑木林の土砂が崩落する事故が起きている。

JR東海が出した声明の一部。「本事象により」と事故とさえ認めていない

JR東海は、ほかにも沿線各地で住民の生活環境を破壊するトンネル工事を、一切の抗議の声を踏みにじって続けている。10月14日、東京・品川では深さ90メートルの大深度地下に巨大シールドマシンで横穴を掘る「調査掘進」を開始した。20年に調布市で起きた外環道陥没事故の再来が懸念されている。
静岡県では、大井川の水資源を枯らすものとして県民の猛反対にあい、工事は立ち往生している。東京ドーム50杯分の残土発生問題も未解決のままだ。
「時速500キロ、東京―名古屋間40分」というリニア新幹線は、庶民の生活・生存には有害無益で危険この上ない代物でしかない。成田第3滑走路と並ぶ反人民的な国策だ。国鉄分割・民営化の下手人、JR東海名誉会長・葛西敬之の野望がこのプロジェクトを推進してきた。

リニア新幹線の「北品川非常口」。穴の底で巨大シールドマシンが掘削を進めている

労働者の命を奪うリニア工事事故を徹底的に弾劾し、全面中止に追い込もう!(TN)

スケジュール
◎11・7全国労働者総決起集会/改憲阻止!1万人大行進
11月7日(日)正午 東京・日比谷野外音楽堂

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