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三里塚で新年デモ&団結旗開き―2022年決戦の勝利を誓う

市東さんの南台農地から2022年初の敷地内デモに出発する三里塚反対同盟(1月9日)

1月9日、三里塚芝山連合空港反対同盟の新年デモ&団結旗開きが行われ、全国から労働者、学生、市民130人が結集し、2022年の「農地死守」の誓いを新たにした。
快晴に恵まれたこの日、まず恒例の東峰神社のしめ縄の交換が行われた。コロナ前はひっきりなしに轟音を立てて神社上空を飛び交っていたジェット機が今は姿もない。反対同盟は要領よく交換作業を終え、このB滑走路南延伸を阻む拠点を守り抜く気概を表し、こぶしを固めた。
その後、市東孝雄さんの南台の畑に集合。6日に降った雪が残り足元がぬかる中、色とりどりの旗・のぼりを掲げて集った参加者が新年のあいさつを交わし合う。
東峰の萩原富夫さんが現地の状況を説明した。「誘導路工事中でB滑走路の離着陸時は東峰地区の頭上は飛ばず、今は北側しか使っていない。しかし、体感としては余計うるさくなった。飛び上がる前にものすごく強くエンジンを吹かすから、その振動が家の障子までガタガタ揺らす」

東峰神社のしめ縄の付け替えを完了。B滑走路南延伸を阻むこの地を守り抜く決意を新たにし、こぶしを固める反対同盟

決戦本部長の太郎良陽一さんが、反対同盟の新年第一声を上げた。「昨年われわれは強制執行を許さず市東さんの農地を守り抜き、勝利した。2022年、さらに三里塚闘争の爆発、全国の闘いの勝利へ向けてがんばろう!」
意気高くシュプレヒコールを上げ、直ちにデモに出発した。
大量動員された機動隊が規制に入り、公安刑事たちが弾圧の機をうかがうが、反対同盟を先頭にデモは整然と力強く進む。婦人行動隊の宮本麻子さんが宣伝カーから「農地死守」の訴えを一帯に響かせた。全学連の白ヘル部隊はひときわ闘志をみなぎらせて行進した。
天神峰農地向かいの開拓組合道路までのデモを貫徹した後、市東さん宅中庭を会場として団結旗開きが始まった。
宮本さんの司会で、最初に事務局員の伊藤信晴さんが主催者あいさつに立った。芝山町の集会場貸し出し拒否を打ち破る勝利を報告し、「戦争切迫情勢のもとで、反戦闘争の爆発を通して市東さんの農地を守り切ろう」と訴えた。
続いて萩原さんが反対同盟の「闘争宣言2022」を読み上げた。https://www.sanrizuka-doumei.jp/wp/2022/01/post-1363/

冒頭に、「われわれは気候変動阻止を三里塚闘争の正面課題に据えて闘う」と宣言し、CO2を大量排出する航空機の運航は気候危機を促進すると批判し、政府の観光立国政策と成田機能強化を「時代に逆行する最悪の政策」と断じた。そしてNAAが掲げる「50年度までに成田空港から排出されるCO2を半減」なる環境目標について、「現在の2倍の50万回発着したら排出量は今と同じ」とそのインチキ性を暴いた。そして、「三里塚闘争を闘うわれわれこそ、地球と生命の未来のために世界で立ち上がる若者たちと連帯して闘おう」と呼びかけた。
さらに、改憲・大軍拡に進む岸田政権を打倒し、市東さんの農地を労農学市民の力で守りぬき、機能強化白紙撤回へ向けて3・27芝山現地闘争に決起しようと訴えた。参加者全員が大きな拍手でこれに賛同した。
連帯発言の最初に動労千葉の関道利委員長が立った。車の両輪として反対同盟との連帯を強めて進む決意を表した上、JR3月ダイヤ改定で狙われている職名廃止攻撃、成田・佐原間へのワンマン運転拡大攻撃を弾劾し、前日の旗開きでストライキをもってこの攻撃に立ち向かう闘争宣言を発したことを明らかにした。
関西実行委の発言に続き、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の西山直洋執行委員は、三里塚への熱烈な連帯を表明し、「強要未遂」でっち上げの加茂生コン事件無罪判決獲得、「白バス」でっち上げ弾圧での違法家宅捜索に対する賠償請求訴訟での勝利判決確定(最高裁が上告不受理)の報告を誇らしく行った。

最高裁の請求異議裁判上告棄却に怒りを表しながらも、「今までどおり闘っていくだけ」と穏やかに語る市東さん

反対同盟顧問弁護団が発言に立った。事務局長の葉山岳夫弁護士は、NAAによる18年にもわたる悪辣な農地明け渡しを迫る攻撃に対しこれを打ち返し、「一坪の土地も取られることなくわれわれは今ここに立っている」と勝利を確認した。そして1月19日の新やぐら控訴審(東京高裁、市東さんと専門家の証言)への結集を呼びかけた。
市東孝雄さんが発言に立った。「昨年は最高裁で不当な上告棄却が下されましたが、結果はどうあれ今まで通り闘っていきます。反権力の砦として56年になる三里塚は、全国の皆さんと共に、また動労千葉、関西生コン支部など闘う労働組合と連帯し、福島・沖縄・三里塚を一つの闘いとして22年も進んでいきます。農民にとって土地は命です。今後もご支援をお願いします」。穏やかな口調だが、自らの農業を守り抜く市東さんの揺るぎない決意に、全員が胸を打たれた。
市東さんの農地取り上げに反対する会、群馬・市東さんの農地を守る会のメンバーが並び、連帯のあいさつを行った。群馬の会を代表して群馬合同労組の清水彰二委員長は、「三里塚のように原則を守り、体を張って闘えば勝てる」と強調した。
市東さんの農地を守る沖縄の会、関西新空港絶対反対泉州住民の会代表の中川育子さんから連帯メッセージが寄せられていることが紹介された。

三里塚の無農薬有機野菜をふんだんに使った熱々の豚汁が、参加者にふるまわれた。赤嶺知晃全学連委員長も満面の笑みで(右端)

ここで、大鍋で作られた豚汁が参加者にふるまわれた。よく味のしみた里芋、大根、ごぼう、ニンジン、白菜などの具はもちろん当地で収穫された無農薬有機野菜。仕込みは午前10時から行われ、市東さんが自ら里芋の皮をむいた。この何よりの熱い一杯のごちそうが、全員の心身を温め笑顔を誘った。
婦人民主クラブ全国協の鶴田ひさ子事務局長、星野全国再審連絡会議の狩野満男共同代表、動労水戸の木村郁夫委員長、全国水平同盟杉並支部の狩野正幸書記長などがマイクを握り、三里塚とともに2022年を闘う決意を表した。
ひときわ大きな拍手を受けて、全学連の赤嶺知晃委員長が発言に立った。日米帝国主義が再び沖縄を侵略戦争の出撃基地とすることに激しい怒りを表し、軍事空港粉砕、中国侵略戦争反対の行動に立つ決意を表した。そして昨年多くの学友たちが援農などで現地を訪れ、三里塚の正義に感動し確信を深めたことを報告し、市東さんの農地を実力で守り抜くことを誓った。

決戦本部に集う仲間が「農地死守・実力闘争で闘おう!」とアピール

最後に決戦本部に集う仲間が並び、この日発行の「決戦本部ニュース」第20号を読み上げ、農地強奪実力阻止の意気込みをあらわした。太郎良決戦本部長は裁判闘争、現地集中の行動と一体で、芝山文化センター貸し出しを求めて3・27芝山現地闘争をかちとる決意を述べ、力強く団結ガンバローの音頭をとった。
農地死守・強制執行阻止、機能強化白紙撤回、軍事空港粉砕、そして気候変動・環境破壊との闘い――。三里塚が担う広範囲で重大な闘争諸課題は資本主義の危機のもとで一体であり、どれ一つおろそかにできないことを、参加者全員が勝利の展望とともに確信した。(TN)

 

スケジュール

◎新やぐら裁判 1月19日(水)午前10時30分開廷 東京高裁
(市東孝雄さん、鎌倉孝夫さんらの証人調べ。夕方まで)

◎第3誘導路裁判 1月28日(金)午前10時30分開廷 千葉地裁

◎団結街道裁判 3月8日(火)午前10時30分開廷 千葉地裁

◎芝山現地闘争 3月27日(日)

「農地死守、第3滑走路阻止、改憲・戦争の岸田政権打倒、気候変動・環境破壊の元凶=成田を廃港に」を誓い団結ガンバローを三唱

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