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天神峰カフェ―成田B滑走路延長予定地を実地調査

暖かい陽光のもと市東さん宅中庭で天神峰カフェを開く(2月27日)

2月27日、三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する天神峰カフェが開かれ、成田空港機能強化の一環であるB滑走路1000メートル北延伸(3500メートル化)予定地のフィールドワークを行った。成田空港会社(NAA)は今秋にも延伸に向けた準備工事を始めると公表している。
昼下がりの晴天のもと、反対同盟、支援連絡会議、首都圏の仲間たち15人が天神峰の市東孝雄さん宅離れ前の中庭に集い、まずはコーヒーとお菓子で和やかに歓談。

決戦本部長・太郎良陽一さんの司会で、事務局員の伊藤信晴さんが、芝山町による反対同盟への集会場貸し出し拒否との闘いにおける勝利を報告した。町議会での諮問の採決を通して、相川勝重前町長町による貸し出し拒否処分の違法・不当性が認められ、ついに町当局が芝山文化センターの使用を承認した。反対同盟は3・27芝山現地闘争の集会場として同センターを打ち出し、参加を呼びかけることが確認された。

地図を確認しながらB滑走路延伸予定地をめぐる

さらに決戦本部の仲間から、空港周辺で騒音被害を受けている住民が夜間の飛行禁止と損害賠償を求めて訴訟に立ち上がったことが報告された。
太郎良さんは、決戦本部の泊まり込み体制をつくって約1年、市東さんの農地への強制執行を阻んできた勝利の上に、空港の危機を見すえながらも油断せず今後も監視を続けることを訴えた。
現地闘争本部の同志がつくったカラー地図の資料が配られ、参加者一同はそれぞれの車に分乗しフィールドワークに出発。

 

B滑走路誘導路改修工事現場。車両は動いていなかった

最初に到着したのは十余三の「東雲(しののめ)の丘」。現B滑走路の北端付近に位置し、離着陸する飛行機を見物する公園として作られた場所だ。ここからは現在行われているB滑走路誘導路の整備工事が見渡せるが、この日は日曜日で重機などの動きはなし。しかし、やがて滑走路1000メートル延伸工事が始まれば、このあたりも工事車両などがひっきりなしに行き来し、単なる観光地ではなくなるだろう。

 

東関東自動車道。道路をまたぐ赤い鉄骨はB滑走路の進入灯。この一帯をことごとく埋め立て東関道をトンネル化しようという計画

さらに北へ向かい、東関東自動車道を横断する。
暫定滑走路として供用開始されたB滑走路はこれまでも2度にわたる北延伸を行い、進入灯は東関道をまたぎ北側に続いている。交通量の多い東関道の真上を横切って飛行機は危険な離着陸を行ってきたわけだが、このたびの機能強化で東関道を地下トンネル化して(430メートル)その上に延長滑走路を築こうというのだ。そのための準備工事として、切り回し道路(仮設道路)をまず造るのだという。
現場は激しく起伏に富んだ地形だ。
NAAの資料によれば、東関道切り回し工事での切土15万立方メートル、盛土6万立方メートル、北延伸造成工事での切土120万立方メートル、盛土330万立方メートル。とてつもない規模の難工事だ!
まさにこの地域の地形、水系などをことごとく破壊して行われるものだ。

現在の航空保安無線施設

参加者はさらに延伸予定地を回りながら、現在の航空保安無線施設とその移転先、延長滑走路の北端地点周囲などをつぶさに見て回った。若干の畑地は残っているが、北延伸予定地の用地買収はほとんど済まされていると言われ、あちこちにNAA所有地の小看板がある。今は穏やかな日差しが降り注いでいる風景が、造成が始まれば殺伐とした工事現場に変貌するだろう。

予定地に立てられたNAAの看板(上)と延伸B滑走路の北端と思われる場所に打たれた杭

3時間に及ぶ現地調査を終え、帰路にはB滑走路東側に位置する「成田市公設地方卸売市場」を確認した。元は花植木センターがあった場所に1月20日に鳴り物入りでオープンしたこの新市場は、国家戦略特区構想に基づく事業として、輸出に必要な大半の手続きをこの場で完結できる「ワンストップ輸出機能」を備えているとのことだが、すべては右肩上がりの航空需要が前提だ。
機能強化ともども、航空バブル破裂後の過剰巨大施設として残ること必至だろう。
参加者は再び市東さん宅の中庭に集合して感想を述べ合い、続けて第3滑走路予定地でもフィールドワークを行おうと確認しあった。東峰の萩原富夫さんは、「気候変動をとめなきゃいけないこの時に、それを一層促進するような工事をやろうとしている。創意工夫をこらして工事を阻む闘いをつくりだし、機能強化を白紙撤回に追い込もう」と述べた。

花植木センター跡地に1月20日オープンした成田市公設地方卸売市場

最後に伊藤さんが芝山町政を批判し決意を述べた。「相川は空港機能強化で町が潤うことをあてにして、農水省の『農地集約』の事業を進めようとしたが、実際には成田は本当に廃港の危機。農家の将来なんか何も考えていないことに私の住む白桝部落でも怒りが高まっている。われわれは徹底的に闘うことが地元農家の人たちに応える道だと確信を持って進みたい」
(TN)

スケジュール

◎新やぐら裁判控訴審 3月14日(月)午前11時30分 日比谷公園霞門集合→霞が関デモ」/午後2時開廷 東京高裁
◎芝山現地闘争 〈空港機能強化白紙撤回・第3滑走路建設阻止!〉
3月27日(日)午後1時 芝山文化センター ホール
集会後デモ行進
呼びかけ/三里塚芝山連合空港反対同盟

(3月8日に予定されていた千葉地裁での団結街道裁判は期日取り消し、延期となりました)

現地調査を終えて、左から萩原富夫さん、太郎良陽一さん、伊藤信晴さん

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