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三里塚団結街道裁判、「前例なき道路廃止」を追及

20130925a-1.jpg 9月24日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で団結街道裁判の弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民は、農地強奪攻撃の一環であった団結街道廃止への怒りを呼び覚まし、ともに闘った。
 団結街道は、天神峰の市東孝雄さんの自宅と耕作地を直接つなぐ道路であり、生活と営農のためになくてはならない道だった。強権的一方的に封鎖し廃止したことは、許されない暴挙である。それを、被告の成田空港会社(NAA)と成田市は「公共事業等の公益上の目的のために必要な土地では、路線を廃止しても支障ない」と居直ってきた。

20130925a-2.jpg そして、「廃止が適正であったことを同じような前例を示すことで証明する」と主張してきた。ところが、現に耕作されている土地に接している道路を一方的に廃止したなどという前例は一つもなかった! 裁量権を逸脱した極めて特異な道路廃止が行われたのだ。そしてその道路であった土地は、格安でNAAに払い下げられた。
 この点を指摘され問い詰められた被告・成田市はまたも言を翻し、「総合的に考慮して判断した」などと何ら説得力のない主張を持ち出してきた。総合的考慮とは、「結局ここは空港になるんだ。道路を廃止してかまわない。住民は犠牲になれ」ということだ。
 弁護団はこの悪質・卑劣で場当たり的な主張を一層鋭く追及した。そして道路の廃止について、国、県、周辺9市町、NAAの「四者協議」でどのような論議がなされたのかを明らかにするため、議事録などの原資料を出すよう再度求釈明を行った。さらに、廃止処分の経緯を明らかにさせるため、文書提出命令申立書を出した。
 農地裁判で極悪の反動判決を出した多見谷裁判長は、この日も傍聴席から徹底弾劾を浴びせられ、一層険悪な表情に終始した。
 次回期日を12月10日として閉廷したあと、弁護士会館において報告集会が開かれた。司会は伊東信晴さん。
 葉山岳夫弁護士を先頭に、弁護団全員が発言し、NAA・成田市一体の居直りと反動的主張を余すところなく批判し弾劾した。
 さらに連帯発言として動労千葉の後藤俊哉さんが、翌日の鉄建公団訴訟控訴審判決を迎え撃つ決意を表した。
 最後に萩原進事務局次長が、まとめを行った。「あの02年ワールドカップ開催の時の暫定滑走路供用を思い出してほしい。つぎはぎでも何でも、とにかく滑走路を造って、実際に飛行機を飛ばし、その既成事実の圧力で住民を追い出そうとした。許すことはできない! 今度も20年東京オリンピックに向けて、早朝深夜の制限を取っ払い、24時間空港をめざし、もう1本滑走路を造り、反対している連中は追い出せ、という攻撃になることは目に見えている。だがそんなことは簡単にいかない。空港周辺の住民の怒りは、もうがまんの限界だ。福島や沖縄も黙っていない。そして安倍政権における経済の破綻、改憲の野望、こうした時代の様相をていねいに分かりやすく訴え、ともに闘う同志を募っていこう。多くの人に心から手をさしのべ、10・20三里塚現地への大結集を実現しよう」
 このアピールをしっかりと受けとめ、参加者全員が大きな拍手で応えた。(TN)

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