三里塚フィールドワーク―工事現場を徹底弾劾
「強制収用」攻撃と対決する三里塚現地で4月15日、三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける月例のフィールドワーク(現地調査)が行われた。
出発に先立ち天神峰の反対同盟会議室前で、打ち合わせを行い、事務局の伊藤信晴さんが現地の情勢を報告した。用地取得で行き詰っているにもかかわらず、C滑走路予定地内では工事が進められていること、敷地含まれる芝山町のゴルフ場の閉鎖をめぐる問題が尾を引いていること、買収を拒んでいる農家の意志は固く、今年も田んぼをつくり始めたことなどが語られた。また、「住民の代表」づらをして強制収用をそそのかす石井新二、石毛博道に対して、住民から以下のような強い怒りの声が表されていることが紹介された。「彼らはシンポジウム・円卓会議で『二度と強制的手段を用いない』ことを国・空港公団に確約させたと自分らの手柄としてふれまわっていたのに、今度は強制収用を願い出るとは何事か」
現闘の同志からは、「B滑走路延伸の運用開始については、NAAは1年延期して2030年3月からとしている。もともとBとCを一体的に運用するという計画が破綻したから、Bだけ延伸しても予定通り開業とはならない」と解説された。
この日の闘いの意義を確認し、参加者は車両に分乗して出発した。
最初に成田市十余三の東関東自動車道トンネル化工事の現場に到着。工事現場を見下ろす高台に布陣し、怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。「工事をやめろ!」「1000メートル延伸を許さないぞ!」「第2の開港粉砕!」「強制収用を許さないぞ!」「軍事空港建設粉砕!」
轟音を立てながら頭上40メートルをジェット旅客機が通過してゆく。
手前に見える東関道付け替え道路にはひっきりなしに車両が往復し、その奥にトンネルとなる構造物(カルバート)が通し番号を打たれて連結されている。すでに大半の足場が撤去され、設置工事は「終わっている」状態だろう。あとはこの一帯を途方もない量の土砂で埋め立て、固めていくことになる。
一行は次に芝山町の加茂へと向かった。この地域はC滑走路予定地で、もともと加茂地区の農地だった場所で今、激しく造成工事が進められている。鉄板の囲いが建ち、重機が土を掘り返し、作業員が動いている。02年のB滑走路運用開始で多くの地域住民は、高台に移転し家を新築したりしたのだが、今この第3滑走路の予定地となったことで、24年たってまたしても立ち退きを強いられているのだ。成田空港がどれだけ「気まぐれ」に、住民の人生を翻弄してきたかを思うと怒りに堪えない。
そして、高谷川の水源をつぶして、滑走路の調整池を新たに川の起点とする工事も進められている。参加者は車両を降りて、もともとの農村地域が破壊され削られていく情景をつぶさに目に焼き付けた。
また伊藤さんの案内で、第2次大戦中に中国東北部(満州)で細菌兵器の研究開発を行っていた、731部隊の石井四郎中将の実家があったとされる場所を確認した。
最後に一行は菱田地区中郷の工事現場に到着した。田んぼをつぶして作られたセメント施設前の道路に車両を停めて、横断幕を広げた。ここでは、第3滑走路を横断して、芝山千代田駅付近から多古町へと抜けるトンネル(滑走路横断道路)の工事が行われている。山は削り取られ、地面は掘り返され、かつての豊かな田園風景は無残な姿をさらしているが、工事現場としては活気なく閑散としている。この一帯の「軟弱地盤」は滑走路を造るには実に不向きで、途方もない量の土砂を投入して埋め固める地盤改良工事が必要であることを、NAA自身が認めている。もともと欠陥内陸空港である成田を、さらに周囲を侵略して拡張しようとするデタラメに、あらためて全員が怒りをたぎらせてシュプレヒコールを行った。「工事をやめろ!」「業者は出ていけ!」「軍事空港建設を許すな!」「高市政権打倒!」「トランプのイラン攻撃を許すな!」
さらに空港機能強化に関連して、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の大栄JCT~松尾横芝ICの開通(C滑走路予定地境界線に沿う)が今年度中に予定されている。これによって最後まで残っていた千葉県内の未開通部分が解消、全線開通となる。
このようにして成田空港周辺では芝山町を中心に、随所で工事のラッシュが続いている。だが、肝心の用地取得が完全に暗礁に乗り上げた上、イラン侵略戦争・ホルムズ海峡情勢は、ジェット燃料の高騰、航空需要の劇的な縮小、航空会社の申告な経営危機をもたらし、もはや機能強化=第2の開港プロジェクトは全面的に破綻しかけている。その先に待ち受けているのは、成田のむき出しの軍事空港としての「機能強化」しかない。
成田を廃港に追い込み、市東孝雄さんの南台農地を守り抜こう!(TN)
スケジュール
◎空港拡張差し止め裁判 5月12日(火)午前10時30分改定 千葉地裁




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