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鉄道運輸機構訴訟控訴審 停職処分撤回の訴えを追加

s20101204a-1.jpg 国労秋田闘争団の小玉忠憲さんを原告とする鉄道運輸機構訴訟控訴審の口頭弁論が12月2日、東京高裁第14民事部(西岡清一郎裁判長)で開かれた。4・9政治和解を拒否した国労闘争団員の闘いは、翌日の動労千葉のストライキと連帯し、国鉄分割・民営化と真っ向から対決する激しい攻防に入った。裁判終了後、報告集会が文京区民センターで開かれ、125人が結集した(写真)
 法廷では、代理人弁護士による準備書面の陳述が行われた。弁論に立った代理人はまず、国鉄当局が小玉さんに対して発令した2回の停職処分の無効確認を訴えに追加すると表明した。

 小玉さんは、2回の停職処分を理由に国鉄が作成した「JR採用候補者名簿」から排除され、JR不採用とされた。しかも、小玉さんら本州JRの不採用者は、当初の段階では採用候補者名簿に載せられていたにもかかわらず、国労や動労千葉組合員の首切りを要求する鉄道労連(現JR総連)の反革命的突き上げで、「6カ月以上または2回以上の停職処分を受けた者は不採用」という基準が設けられ、名簿から外された。その事実は、動労千葉の裁判で明らかになっている。
 前回の裁判で被告の鉄道運輸機構は、「(小玉さんに対する)2回の停職処分の効力が否定される余地はない」「JR設立委員の提示した採用基準に合致しないとしてJR東日本に採用されなかったことはやむを得ない」と強弁した。これに対して、停職処分自体が不当労働行為であり無効であることを、今回の裁判で真っ向からたたきつけたのだ。
 小玉さんへの停職処分は、業務で自分の机を離れたことが「職場離脱」とされるなど、でたらめきわまるものであり、処分自体が不当労働行為にほかならない。代理人は、このことを具体的事実を指摘してつぶさに説き明かした。
 さらに代理人は、一審東京地裁の判決が、時効で原告の請求をことごとく切り捨てたことを怒りを込めて弾劾し、国労や動労千葉を解体するという目的で分割・民営化を強行した被告(旧国鉄)には時効を主張する権利はないと声を強めた。とりわけ、国鉄改革法によって国鉄とJRは「別法人」とされ、首切りの責任主体が不分明にされた以上、時効で被告が責任を免れることなど許されない。代理人はこのことを徹底的に突きつけた。
 これに対して鉄運機構は、「停職処分の無効が確認されても原告と被告との法的関係に変更はない」と言い放った。停職処分が無効であろうがなかろうが、あくまで解雇は有効だというのだ。法廷には怒りが渦巻いた。
 次回の期日は4月26日、代理人によるさらなる弁論が行われる予定だ。
 口頭弁論に先立ち、「共に闘う国労の会」は、解雇撤回の判決を求める署名を東京高裁第14民事部に提出し、申入書を読み上げて、反動判決を許さない決意をたたきつけた。
 同日、鉄建公団訴訟上告審を闘う3原告(羽廣憲さん、成田昭雄さん、石﨑義徳さんは、それぞれの陳述書を最高裁に提出した。代理人とともに最高裁に赴いた羽廣さんと石﨑さんは、これまで対応を拒否していた書記官を窓口まで呼び出して、安易に反動判決を下すなと不屈の闘志を突きつけた。

●動労千葉ストに連帯し報告集会

s20101204a-2.jpg  裁判闘争を闘いぬいた原告や傍聴者は、直ちに新宿駅南口のJR東日本本社前に移動して、JRへの抗議と街頭宣伝行動を貫徹、JRに1047名解雇撤回・検修全面外注化阻止の戦闘宣言をたたきつけた(写真)
 同日夕には、文京区民センターで鉄道運輸機構訴訟控訴審報告集会が開かれ、125人が結集した。
 「共に闘う国労の会」呼びかけ人として主催者あいさつをした国労郡山工場支部の橋本光一さんは、「和解を拒否した4人の闘争団員の闘いをもっと大きく広げよう」と訴え、動労千葉のストライキと連帯する闘いとしてこの集会をかちとろうと呼びかけた。
 原告の小玉さんは「戦争と大失業が現実のものとなる時代にわれわれは解雇撤回闘争を闘っている。11・7労働者集会の5900人がもっと大きくなれば社会をひっくり返せる。裁判闘争は面白くなってきた。これは国鉄分割・民営化を絶対に認めない闘いだ」と訴えた。
 石﨑さんは「分割・民営化で国鉄当局がやったことは絶対に許せない。だから和解にも応じられない。1047名の闘いは全労働者の闘いだ」と決意を表明。羽廣さんは「団結して闘い、自らの力で腐った労働組合を変える。原則を貫く以外にわれわれの未来はない」と述べるとともに、新たに始まった国労原告団物販を自らの闘いとして闘うことを参加者に呼びかけた。(N)

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