釜山の韓進重工業で強制執行攻撃を打ち返し、85号クレーン死守!
6月27日、韓国・釜山の韓進重工業影島造船所で続いている整理解雇撤回の高空籠城闘争に対する許し難い強制退去が執行された。午後1時半、裁判所の執行官と約200人の用役(作業員)が85号クレーンを死守する組合員ら40人を引きずり出した。しかし組合員らは「整理解雇撤回まで闘おう!」「解雇は殺人だ!」のシュプレヒコールを上げ、意気高く闘いを継続している。高さ35メートルの85号クレーン上には民主労総釜山本部のキムジンスク指導委員(写真1)が、クレーン中間部にも組合員(写真2)が死守隊として陣取っている。キムジンスクさんの高空籠城は173日目、金属労組韓進重工業支会の整理解雇撤回全面ストライキ突入から188日目だった。
実は26日明け方まで続いた労使交渉で、会社側が「会社正常化後に解雇者優先雇用」という案を提示してきた。支会執行部はこの案を工場内でストライキ中の組合員に示したが、組合員は「この案だと事実上、整理解雇を受け入れ、解雇者だけで闘えということだ。組合員を分断するな」と100%拒否! 組合員があくまで整理解雇撤回まで闘うと意志表示をしたにも関わらず、キムギリョン支会長は27日にスト中断・業務復帰宣言を強行した。しかも執行部が勝手に動かないように組合員たちが徹夜で組合事務所を死守する中で、執行部はメールで合意文を会社側に送ったというのだ。そして行われた強制執行だった。クレーン中間で座り込み中のイヨンデ代議員は「組合員の同意のない合意文は無効だ。クレーン上で、外で、整理解雇撤回まで闘う。非解雇者も一緒に闘っている」と明らかにした。
強制執行が行われた27日夜、工場から出された組合員と全国から駆けつけた労働者・市民は85号クレーンが見える場所でキャンドルを灯して座り込んだ。クレーンで籠城している12人の組合員とキムジンスク指導委員は、整理解雇が撤回されなければクレーンから降りないと宣言して闘っている。
キムジンスクさんは52歳。「21歳で入社した後、韓進と本当に悪縁を続けてきました。26歳で解雇され対共分室に3回連れていかれ、懲役に2回行き……」、そして2011年1月6日、整理解雇を阻止しようと85号クレーンに登った。この85号クレーンは03年10月、団体交渉を求めて129日間の籠城闘争を闘ったキムジュイク韓進重工業支会長が自ら命を絶った、その場所だ。“死ぬのではなく、この85号クレーンで労働者が生きるために闘い、自分の足で降りてくる”と宣言したキムジンスクさん。彼女とともに闘おうと企画された「希望のバス」17台は6月11日、全国から700人の参加者を乗せて釜山へ出発した。影島造船所では待ちかまえる警察警備をかわし、一歩でもキムジンスクの近くへと、フェンスを越えて工場内へ入った! 「建造物侵入」などでの事後弾圧にも怒りが沸騰し、7月には第2次「希望のバス」185台が準備されている。
展望を失って資本に屈している一部執行部をのりこえ、あくまで解雇撤回をかちとろうと闘う労働者の団結こそが「希望」なのだ。(M)
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