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イタリアのゼネスト、秋の陣の火ぶたを切る!

s20110908a-1.jpg 9月6日、ついにイタリアがこの秋のヨーロッパゼネストの先陣を切った。600万人を組織しているイタリア最大の労働組合CGIL(イタリア労働総同盟)の呼びかけで、ベルルスコーニ政権が強行しようとしている455億ユーロ(約5兆円)規模の緊縮財政攻撃に反対して、数百万の労働者が8時間のストライキに決起した。
 鉄道やバスは停止し、飛行機にも大きな影響を与え、医療や銀行の労働者も合流し、ほとんどの政府の事務所がまる一日閉鎖された。ローマでは数万人が街頭デモを行い、法案の審議を始めた政府を弾劾した。 

s20110908a-2.jpg ストの原動力は増税や年金改悪、首切りなどで十年以上の経済危機の矛盾を労働者になすりつけようとしていることへの怒りだ。ローマの集会に参加したクリーニング工場の労働者は「私は月に1000ユーロ(約11万円)しか稼いでいない」「私のような貧しい労働者を狙うなんて間違っている!」と怒りをぶちまけた。
 同じ6日、スペインでも、緊縮財政攻撃に反対してストライキとデモが呼びかけられ、数万人がマドリードを行進した。
 この間イタリアとスペインはともに財政破綻による国債の信用が急激に低下し、ヨーロッパの経済破綻の震源地となりつつある。とりわけ、独・仏に次ぎヨーロッパ第3の経済大国であるイタリアの危機に、欧州中央銀行(ECB)が強力に介入し、イタリアの緊縮財政は国際的な資本主義の延命の焦点となっている。
 だからアメリカのブルジョアジーも、「こんな時にストライキをやるなんて!」とイタリアのストライキにs20110908a-3.jpg真っ青になっている。他方でストライキを拒否したイタリアの労働組合は「みんなの仕事が危険なときにストライキをやることに意味はない」と逃亡を正当化した。今回のストライキを決断したCGILの内部でも、6月に結ばれた政府との協定に依拠すべきか、闘い以外に労働者の生きる道はないのかをめぐる激しい路線闘争が行われていた。これはすべての労働運動が直面している大問題なのだ。世界大恐慌の今こそ「資本が危機の時こそ、労働者は闘って勝利するチャンスなのだ」という時代認識をふまえた、階級的労働運動の立場を国際的な主流にするときが来ている。
 イタリアとスペインの闘いは、11月労働者集会に向かって世界中で爆発する2011年後半の国際的な疾風怒濤の突破口を開いた。世界の革命情勢の最先端の攻防として、日本における反原発・反失業闘争の壮大な爆発を勝ち取ろう!(SG)
 写真は上から①ストライキをしてデモに出るイタリア北部・トリノの労働者たち②ローマのデモ③スペイン・マドリードのデモ
 

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