「ビキニの真実」今こそ暴く!―58周年の東京集会に怒りみなぎる
2月19日、渋谷区神宮前の千駄ヶ谷区民館で「2・19ビキニデー58周年東京集会」が開かれ、例年を上回る210人の結集で大成功をおさめた。
司会を法政大学の倉岡雅美さんが努め、弁護士の高山俊吉さんの主催者あいさつの後、DVD「空母オリスカニの原爆製造室」の上映を行った。1953年に米帝が北朝鮮に対する核攻撃を準備していたことを、当時の複数の米軍人の証言から暴く内容だ。米帝は、ヒロシマ、ナガサキへの原爆投下からわずか8年後、三度目の原爆投下を準備していた! しかも日本がその前線基地となっていた! 帝国主義の核政策への怒りがあらためてわき起こる中、第五福竜丸元乗組員の大石又七さんが「ビキニ事件の真実」と題し講演を行った。
大石さんは「日米政府は、ビキニ事件を被爆者や被害者の頭越しに、9カ月で政治決着を図った。私たちは発病しても、死んでも原爆症と認められない。この悔しさ、忘れられてたまるかという気持ちで事件の詳細を調べ始めた」「当事者が声を上げなければまた必ず同じようなことが起こると思うようになりました。それから放射能と内部被曝、核兵器と原爆の怖さを何十年も伝え続けてきました」と、闘いの原点と歴史を昨日のことのように語った。さらに「中曽根康弘や正力松太郎などが、ビキニ事件の政治決着と引き替えに日本に原発を導入していった」と心底から弾劾し、その結果福島第一原発事故が起こったと怒りをたたきつけ、政治家や原発導入に関わってきた者たちの責任を徹底的に追及した。
続いて、岐阜環境医学研究所所長で医師の松井英介さんが「内部被曝の特性とその健康影響」と題し、スライドを駆使して講演した。松井さんは冒頭「キーワードは『低線量』内部被曝」であると講演の核心を提示し、α線、β線による内部被曝が細胞を破壊し、さまざまな病気を発症すると指摘。具体的事実として、チェルノブイリ事故後のウクライナやベラルーシにおける多様な疾病の多発を報告し、警鐘を発した。最後に「集団疎開の権利を保証すること」などの「東電と政府への基本的要求事項、緊急の要求項目」を提唱した。
動労水戸書記長の木村郁夫さんが特別報告に立ち、「動労水戸は、収束キャンペーンによって福島が切り捨てられることを阻止し、国や東電に責任取らせることを目指して闘いに立ち上がった。福教組、国労郡山工場の労働者と連帯してたたかう」と勝利の確信も固く報告した。特別報告その2を青森反戦反核学習会実行委員会の中道雅史さんが行い、六ヶ所闘争の歴史と現状を詳しく報告、「4・9反核燃の日」行動への結集を呼びかけた。決意表明をNAZEN事務局長の織田陽介さんが行い、「われわれの闘いで再稼働を止めよう。3・11を闘いの日、社会を根本的に変えていく日にしよう。職場・キャンパスから立ち上がろう」と訴えた。
最後に、主催者で8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会事務局長の三角忠さんが、労働組合と地元住民が団結して闘えば再稼働を阻止し、原発を無くすことは可能だと確信も固く呼びかけた。最後に全員で「団結ガンバロー」を行い、3・11へあと一カ月の奮闘を誓い合った。(N)
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