三里塚反対同盟、空港周辺地域で一斉行動
11月17日、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援連絡会議は、成田空港周辺地域での一斉行動に立ち上がった。
いつも通り午前9時に、天神峰の市東孝雄さんの離れに集合。分担地域を確認し、それぞれが同日付けの「反対同盟ニュース」第2号を手に飛び出していった。
今回のニュースには、農地裁判の控訴審に向けての署名・カンパなど支援の要請、10・20全国集会の報告、ジェット機の騒音に憤る住民の声などが掲載されている。これを配布して、対話を通じて住民の空港への怒りと結びつくことが今日の闘いだ。
婦人行動隊の宮本麻子さんは、芝山町宝馬地区を回った。宝馬は、空港反対運動の初期においては多くの人びとが参加したところだ。農家を一軒ずつ訪ねニュースを手渡すと、反対同盟の奮闘への共感と激励が次々と寄せられた。
ある年輩の女性は、「市東さんの農地問題は、地元のことだから千葉日報で読んでいる。自分もかつて反対闘争に参加して体を立ち木に縛りつけて『ふるさと』を歌って抵抗した。あの歌を聞くと当時を思い出す」と語った。
ニュースに載っている北原鉱治事務局長の写真を見て、懐かしそうに「北原さんはお元気ですか」と聞いてくる人もいた。
そして、やはり騒音被害に苦しむ声が数多く寄せられたが、「うちの者が空港に勤めているから……」と複雑な表情をする人も少なくない。宮本さんは回りながら、「一回では変わらないが、繰り返し訪れて現状を変えなければね」と、笑顔で語る。
北原事務局長はこの日も宣伝カーに乗り込み、各地で精力的に辻立ち演説を行い、空港のもたらした地元への被害を根底から批判し、反対同盟の闘いの正義性を訴えた。
夕刻に市東さん宅離れに再度集合し、それぞれの行動を報告し合った。 萩原進事務局次長がそれらを集約して、具体的な方針を提起した。「政府は減反政策の廃止を打ち出した。TPPとともにこれは農家にとって死活にかかわる大問題になる。われわれは訪れた先で相手の声をじっくり聞くことがまず第一に重要だ。そして、千葉市での市東さんシンポジウム、年明けの反対同盟旗開き、3月の全国集会などの集会・催しに積極的に誘うことだ。それが市東さんの裁判闘争を一緒に担ってもらうことにつながる。年が明けて旗開き以降、本格的に署名・カンパの要請に入っていこう」
最後に市東孝雄さんが「反対同盟の闘いをもっと知らしめ広めるために、地域への働きかけをさらに進めよう」と語り、一日を締めくくった。(TN)
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