西郡住宅裁判結審闘争 最終弁論で怒りの戦闘宣言
11月21日11時から大阪地裁1007号法廷で、西郡住宅裁判結審闘争(第24民事部・古財英明裁判長)を闘い抜いた。9月裁判での3人の証言を引き継ぎ、供託者の佃照夫さんが渾身(こんしん)の最終弁論に立った。陳述書は供託者会議でみんなが意見を出しあって作ったものだ。まさに西郡住民の八尾市と部落解放同盟(解同)本部派への弾劾書であり、住宅明け渡し攻撃に対する不屈の戦闘宣言だ。
法廷に立った佃さんは八尾市職員をにらみすえ、古財裁判長と向き合った。傍聴席から一斉に拍手が起こる。
「私たちは、なぜ、応能応益家賃制度導入に、16年間家賃を供託して絶対反対で闘ってきたのか?」。佃さんは一語一語に気迫を込め、怒りを込めて語り出す。「人間として人間らしく生きんがためだ。住環境の非常に悪い西郡地区を、住民が幾度も東京へ足を運び、住宅を国や市に対して要求し交渉を重ね、しかも私たちの土地や建物を差し出して建てさせた改良住宅だ。そうした経緯を無視し、八尾市は住民に対する説明も理解も得ないまま、一方的に応能応益家賃を推し進めてきた」。その先兵に立ったのが解同本部派と吉村議員だ。「八尾市議議会で(本部派の)吉村議員は『見返りと引き換えに応能応益家賃制度に賛成した』と発言、住民を欺いていたのです。断じて許さない」
佃さんは、ムラの共同体が破壊されたことを、厳しく断罪した。「応能応益家賃制度導入によって何が起こっているのか?」。家族一緒に住む若者が働いて家族収入が増えると家賃が高くなるから、「若者たちが高齢の親元から世帯分離して、同和住宅から出て行かざるを得ない状況になっていった。応能応益家賃制度導入から10年間の間に1千人を超える若者らがムラを離れ人口も激減し、老人が取り残され、子どもは市内で最も少ない地域になった」。「独居老人が増え、孤独死や自殺者がでている」と応能応益家賃制度導入の目的が「住民をムラから追い出し、住宅を更地化し」ムラを解体することであり、「市の財政危機の穴埋めと大資本のための安値での『立地』確保」することにあると、国と八尾市の政策を怒りを込めて暴きだした。
さらに「八尾市は老齢の方や患者さんにとって絶対必要な八尾北医療センター」を廃院・職員全員解雇しようとしていると弾劾し、「私たちはムラと地域住民の全力、全国の労働者の総力で八尾北医療センターを絶対に守りぬく」と宣言した。 7月の全国水平同盟結成に触れ、「新自由主義の名のもとに推し進められている民営化、規制緩和による外注化・10割非正規職化、更地化、そして何よりも労働組合に対する団結破壊攻撃に立ち向かう」と決意を述べた。傍聴席の拍手はしばし鳴り止まなかった。
住民代理人が準備書面を提出。八尾市代理人は住民の訴えの正義性に追いつめられ、最終準備書面提出を放棄した。
次回は判決闘争だ。来年1月30日午前11時、大阪地裁1007法廷に全国から結集し、怒りの炎で判決を迎え撃とう。(全国水平同盟西郡支部・植村清司)
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