3・11郡山 原発再稼働と戦争の安倍倒せ 帰還と被曝の強制許さない 動労総連合など1050人
東日本大震災と福島第一原発事故から5年を迎えた3月11日、福島県郡山市で3・11反原発福島行動16が開催され、1050人が集会とデモを闘いぬいた。5年の年月を経ても、岩手、宮城、そして福島の人たちの心から悲しみと怒りが消えることはない。日々の労働と生活を重ねる中、その思いは深まるばかりだ。新自由主義による2万人を超える労働者民衆の大虐殺と古里を奪われたことへの怒り、福島圧殺・帰還強制、小児甲状腺がんの多発などの命と健康の破壊に対する怒りが根底から解き放たれ、全原発廃炉、新自由主義・資本主義の打倒に向かって巨万の決起が始まるのはこれからだ。
■愛媛と舞鶴の自治体からも
原発事故から5年の「3・11フクシマ」はこの新たな闘いの出発点となった。その先頭を担うべく動労福島を軸とした福島の労働組合の本格的闘いが開始され、動労総連合の全国的建設がさらに前進している。
会場の開成山公園・野外音楽堂には動労千葉・動労水戸・動労福島などの動労総連合の旗・のぼり、全国の労組ののぼりが翻り、安倍政権の原発再稼働と戦争政治への怒りと闘いの決意は一層高まった。集会には韓国・民主労総ソウル地域本部、アメリカ・運輸労働者連帯委員会、ドイツ・ゴアレーベン核廃棄物処分場建設反対同盟のケアスティン・ルーデックさんからの熱い連帯のメッセージも寄せられた。
午後1時、実行委員長の橋本光一・動労福島委員長の主催者あいさつで集会が始まった。橋本さんは、京都大学の反戦バリストへの大弾圧を弾劾したのち、「ゼネストで闘っている韓国の民主労総と固く団結し、今日の行動をやりぬこう。動労福島は3・24ストライキを決断した。反原発を闘う労働組合を全国につくろう。動労総連合を全国につくろう!」と意気高く訴えた。
満場の拍手に迎えられ、被曝労働拒否を掲げて闘う愛媛、舞鶴、東京の自治体労働者が発言に立った。愛媛県職労書記長の臼坂伸二さんは「原発はただちに廃炉にするしかない。労働組合として反原発を闘うことが大切だ」と語り、3・19えひめ集会への大結集を呼びかけた。京都府職労舞鶴支部の長岡達也さんは「〝労働者を犠牲にすることでしか成り立たない原発はいらない。その闘いができるのは労働組合だけだ〟と闘っている」と報告し、「真に闘う自治体労働組合を目指す」と決意を表明した。東京・江戸川区職の佐藤賢一さんは「舞鶴や愛媛の仲間たちと一緒に東京からも被曝労働に反対し、自治体労働者の闘いを開始する」と宣言した。
福島からのアピールの最初に福島診療所建設委員会の佐藤幸子さんが立ち、167人の子どもの甲状腺がん・疑いを「放射線の影響とは考えにくい」と言い続ける福島県県民健康調査検討委員会に怒りを爆発させ、福島診療所建設委員会への一層の協力を呼びかけた。
次は三里塚反対同盟と全国農民会議が登壇した。反対同盟の宮本麻子さんは、安倍政権の原発再稼働や輸出政策を弾劾し、朝鮮侵略戦争のための成田空港の軍事基地化の攻撃に対し「市東孝雄さんの農地を守りぬく」と3・27全国集会への大結集を訴えた。続いて、農民会議共同代表の鈴木光一郎さんの「農民と労働者が手を取り合って資本主義打倒を」とのアピールが紹介された。
■「甲状腺がん167人」に怒りが
浪江町・希望の牧場代表の吉沢正巳さんは、福島原発事故が引き起こした恐るべき現実と原発への天をも衝(つ)く怒りを語り、「広く深い実力闘争のうねりをつくり出そう」と熱烈に叫んだ。
カンパアピールに続き後半に移った。動労水戸委員長の石井真一さんは「安倍政権は『2019年度までには常磐線を全線開通させる』と言っているが、絶対に阻止する」と気迫あふれる決意表明。いわき合同ユニオンの青年労働者は「働く者がつくり上げる職場でなければならない」との原発労働者のメッセージを代読した。
京都大学の反戦バリストへの大弾圧と不屈に闘っている全学連の学生が大挙して登壇し、京都大学の纐纈(こうけつ)貴文さんが「6人を必ず奪還する」と力を込めた。
ふくしま共同診療所院長の布施幸彦さんは「小児甲状腺がんが167人に増えた。世界では放射能の影響だと思われている。韓国・ドイツなどの世界のマスコミが診療所に取材に来ている。うちの診療所だけが『避難・保養・医療』を掲げて活動している。これからもこの運動を大きくし、国を変えるために頑張っていく。参院選で鈴木たつおさんの当選を実現しよう」と呼びかけた。
地震発生時刻の午後2時46分、実行委員会の椎名千恵子さんが「犠牲者の無念を闘いの決意に変えよう」と呼びかけ、全員で黙祷をささげた。
最後にふくしま合同労組の後藤尚夫さんが気概に満ちた声で高らかに集会宣言を読み上げた。
午後3時、デモの出発だ。「3・11反原発福島行動」の横断幕が先頭の力強いデモに多くの労働者・市民が注目した。
■デモと駅前集会に市民合流
2人の幼児を連れた若い母親は「私の子どもたちは今回は甲状腺検査で異常なかったが、心配です」と不安を口にした。自宅から出てきた女性は「人間のつくったもので安全なものなんてない。放射線の影響でこの辺は鳥も少なくなった。福島第一原発の廃炉だって何十年かかるかわからない」と思いのたけを語った。デモ隊に拍手を送っていた男性は「福島の人は政府のことなんか誰一人信じてない。さんざんだまされてきたんだ。甲状腺がんは放射能の影響だ!」と、怒りをあらわにした。デモに合流する青年も現れた。
解散地点の郡山駅前では、この日ストライキを打ち抜いている動労千葉の中村仁さんとともに動労総連合の青年労働者が次々とマイクを握り、「解雇を撤回させる!」「ストライキに決起する!」と解放感あふれる決意表明。橋本光一さんがまとめを行い、「今日の闘いで動労福島が地区の労働運動の軸になって闘える自信が強固になった」と力強く結んだ。
本集会に先立ち、正午から「音楽イベント」と「星野文昭さんを取り戻そう」企画が開催され、獄中41年を闘う無実の星野文昭同志のお連れ合いの星野暁子さんは「動労千葉・動労水戸―動労総連合、そしてフクシマと星野を中心軸に世の中をひっくり返す闘いをやっていきましょう」と熱く呼びかけた。
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