韓国・民主労総ゼネスト 社会に広がる「断固支持」の声
●貨物連帯も1万4千が
韓国・パククネ政権の反労働者政策と全面対決する民主労総のゼネスト闘争は、市民の圧倒的な支持をも獲得しながら前進を続けている。10月10日には新たに公共運輸労組傘下の貨物連帯の組合員1万4千人がストライキに突入した。
9月27日から始まった鉄道労組の無期限ストはすでに3週目に入っている。これに加えて、各地の港湾から内陸へ、大型トレーラーに物資を積んで運んでいる貨物労働者がストに入り、物流が停止した。
政府と財界は悲鳴を上げ、弾圧に必死になっている。鉄道労組には処分を乱発。貨物連帯のスト現場には警官隊を差し向けて暴力をふるい、2日間で組合員約50人を連行した。だが世論の支持は圧倒的にストライキ労働者の側に向いている。
「違法スト」「国民の迷惑」を叫ぶ政府に対抗し、スト支持を訴える学生や市民の壁新聞が地下鉄の駅や街路に貼り出された(本紙2788号既報)。「不便でも大丈夫!」がその合言葉となっている。
10月10日のハンギョレ新聞には「ストライキをする公共部門の労働者、あなたに拍手を送ります。Thank you for your strike」という全面広告が掲載された。市民団体が6〜7日の2日間、インターネットを通じて膨大な市民の声とカンパを集めて掲載したのだ。
それはもはや単なる支持にとどまらない。多くの人民が「ストライキ労働者を絶対に勝たせよう」と、ともに決起を開始している。
その背景にあるのは、「命より金」の新自由主義に対する根源的な怒りだ。2014年4月に発生したセウォル号の沈没事故は、新自由主義の行き着く先をすべての人民に衝撃的に突きつけた。そこで暴露された資本と政権の癒着と腐敗、1%の大資本が労働者人民の生命をも犠牲にして法外な利益をむさぼっている現実に、激しい怒りが噴き出している。
パククネ政権の労働改悪攻撃は、この現実をさらに極限的に進めるものだ。絶対に阻止する以外にない。この民主労総の訴えは、今や全労働者、全人民の心を圧倒的にとらえている。
10月11日には「路上のセウォル号惨事を防げ」のスローガンを掲げて、市民社会団体が鉄道労組と貨物連帯のストを支持する記者会見を行った。貨物労働者の死亡事故は年間1200件。低賃金のもとで1日平均13・6時間もの労働、深夜の長時間運転を強いられていることが最大の原因だ。鉄道では外注化により安全が崩壊し、重大事故が相次いでいる。市民社会団体は記者会見で、ストライキは資本による虐殺から労働者の命を守り、「国民の安全」を守る正義の闘いであると宣言した。
●ソウル大で総長室占拠
労働者階級のゼネストは、学生にも大きな影響を与えている。10月10日夜、ソウル大学の学生1千人が総長室に突入し、占拠闘争に入った。
ソウル大では、大学当局がこの8月から京畿道の始興(シフン)市に新キャンパスを建設するという新たな事業を開始した。これに反対する学生が先月から学内でテント籠城(ろうじょう)闘争に入っていた。この日午後6時から開かれた学生総会で、建設計画の全面撤回と「本部占拠」の行動方針が圧倒的多数で議決された。1千人がその場から直ちに行動を起こし、大学本館に突入し、総長室を占拠した。
学生たちの主張は、新キャンパスの建設は大学と学生を新自由主義の金もうけの手段にするもので、絶対に認められないというものだ。これに先立ち、梨花女子大学でも同様の闘いが爆発している。ここでは、単科大学の新設計画を卒業生を含めた7千人の大決起によって白紙撤回させた上、総長の退陣を求めて学内占拠闘争がなおも不屈に闘いぬかれている。
さらに、農民・ペクナムギさんへの国家暴力の真相究明と責任者処罰を求める闘いが、労働者と農民の怒りを一つに結ぶ闘いとしてますます発展している。星州(ソンジュ)の住民を先頭とするサード配備阻止闘争の拡大も同じだ。その一切が民主労総ゼネストを軸に11月民衆総決起へとなだれ込もうとしている。これと連帯して闘おう。
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